卵巣がんの10~15%、乳がんの3~5%がBRCA1・BRC…
HBOCの遺伝子検査では何を調べるの?
BRCA1、BRCA2 という2つの遺伝子の中に他の人と異なっている場所がないかどうかを調べます。
BRCA1とBRCA2は誰もが持っている遺伝子ですが、その一部が他の人と異なる場合を「変化(バリアント)」といい、それにより正しい遺伝子の働きができず、がんの発症しやすさと関係している場合を「病的バリアント」といいます。
BRCA1,BACA2 いずれかの遺伝子に病的バリアントが見られると、HBOCと診断されます。
条件が当てはまる方は、HBOCの検査が保険適用となる
2020年4月より、下記の条件に該当する患者さんはHBOCを診断するためのBRCA1,2遺伝子検査を保険診療にて受けることができます。
■以下のいずれかにあてはまる方
- 45歳以下で乳がんと診断された
- 60歳以下のトリプルネガティブ乳がんと診断された
- 両側の乳がんと診断された
- 男性で乳がんと診断された
- 卵巣がん・卵管がん・腹膜がんと診断された
- 腫瘍組織によるがん遺伝子パネル検査の結果、BRCA1、BRCA2遺伝子の病的バリアントを生まれつき持っている可能性がある場合
- ご自身が乳がんと診断され、血縁者*に乳がんまたは卵巣がん発症者がいる
- ご本人が乳がん、卵巣がん、腹膜がんのいずれかを診断されていて、かつ血縁者が既にBRCA1、BRCA2遺伝子に病的バリアントを持っている事が分かっている場合
- 化学療法を受けているHER2陰性の手術不能または再発乳がんの患者さんで、分子標的薬「オラパリブ(商品名リムパーザ)」での治療を検討されている方
- Stage III,IVの卵巣がんで、術後の化学療法として分子標的薬「オラパリブ(商品名リムパーザ)」での治療が検討されている方
*血縁者の範囲:父母、兄弟姉妹、異母・異父の兄弟姉妹、子ども、甥・姪、父方あるいは母方のおじ・おば・祖父・祖母、大叔父・大叔母、いとこ、孫
日本乳癌学会「遺伝性乳がん卵巣がん症候群の保険診療に関する手引き」より
検査に先立って行われる「遺伝カウンセリング」では、遺伝性のがんである可能性を検討し、遺伝子検査を受ける必要があるかどうかを検討することができます。↓
遺伝性腫瘍の可能性があるがん 生まれつきがん抑制遺伝子に変異…
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参考URL:HBOCについてのQ&A