治療の副作用「貧血でふらっとする(赤血球の減少)」の原因や、日常での注意点について

治療の副作用「貧血でふらっとする(赤血球の減少)」の原因や、日常での注意点について

副作用の原因

赤血球にはヘモグロビンという血色素があり、肺で受け取った酸素を体中の細胞に運ぶ働きがあります。
抗がん剤によって骨髄抑制(骨髄が血液細胞を作りににくくなる)が起こり、赤血球数やヘモグロビン量が減ると、体中の組織が酸欠状態となり、貧血が起こりやすくなります。

貧血は治療以外でも様々な要因で起こるので、原因を突き止めることが大切です。

貧血の症状や現れる時期

赤血球の寿命(半減期)は120日と長いため、貧血の症状が現れるのは治療開始から数週間~数か月後になるのが一般的です。
もちろん、薬の種類や個人差により、発現の時期や程度は異なります。

症状は、ヘモグロビン量が少ないほど重くなります。
自覚症状がない場合もあれば、疲労、息切れ、めまい、頭痛など様々な症状が現れ、生活全般に支障が出てきます。
他にも、下記のような症状が現れる場合もあります。

■貧血が疑われる症状
・顔色が悪い
・爪の色が白っぽい
・下まぶたをひっくりかえすと白い
・手足が冷えやすい。頭痛がしたり頭が重い
・耳鳴りがする
・食欲がない
・脈拍が増えている(頻脈)
・動悸で苦しくなる
・息切れが起きやすい
・便秘になることが多い
・めまいが起こりやすい
・疲れやすい
・立ちくらみが多い
・思考力が低下する

日常での注意点

  • 急な動きは避け、ゆったりと動く
  • 睡眠時間を十分に確保する
  • 休息の時間を多めにとり無理をしない
  • めまいや立ちくらみが起きたら、すぐその場にしゃがみこむ
  • たんぱく質、鉄分、ビタミンB12(レバー、青魚、貝類、チーズなど)を多く含む食品を摂る

ヘモグロビンにはタンパク質と鉄分の摂取が不可欠ですが、鉄分だけではなく、赤血球をつくるのに必要なビタミンB12と葉酸の欠乏も貧血の原因となります。

鉄分の多い食品は、こちらの記事に詳しく記載しています。
 

貧血予防に。酸素を運ぶために必要な栄養素「鉄分」の多い食材

貧血の原因は鉄分の不足 貧血は、赤血球に含まれるヘモグロビン…

 
自覚症状のない慢性貧血が徐々に進行すると、突然転倒したり事故につながることがあります。
軽い症状でも異変を感じたら、医師に相談してみましょう。



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参考URL:『貧血について 鉄分吸収UP』
参考文献:抗がん剤治療中の生活ケアBOOK - 中川靖章 監修

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