治療法を決める時に、自分自身が納得いく選択を取れるためには

治療法を決める時に、自分自身が納得いく選択を取れるためには

「がん治療の三本柱」と例えられる、がんの基本的な治療法は「手術、抗がん剤、放射線」の3つと言われています。
それぞれ治療法は日々進歩しており、昔は目指すものが「がんをどれだけ小さくできるか」でしたが、がんを小さくするためだけに治療しても、正常な細胞を傷つけて身体が消耗してしまうと意味がありません

新しい治療方の基準は、「治療したら、どれくらい長く生きられるか」という点で効果を評価をしていて、新しいものが古いものよりこれを上回っていないと、治療法としては評価されません。

いろいろな治療法を組み合わせて、治療しなくてもすむ状態へ持っていけるのがベストですが、がんを持ちながらも寿命以上に元気に長生きしていれば、治療法が悪かったとは一概には言えないという事もあります。

医師の治療の判断

特殊な場合でない限り、標準治療は次のことから判断されます

  • どの部位にできたか?
  • どれくらいの大きさ、深さか?
  • 周辺のリンパ節への転移はあるか?
  • 他の臓器への転移はあるか?

これらの要素から、がんがどれくらい進んでいるかをみます。
医師は、第一の選択としてどのような治療をするか、もしあまり効果が見られない場合、第二の選択として…第三の選択として…というように様々な治療法を注意深く検討し、患者さんへ提案します。

医師からの説明を受けて

私たちは、これらの治療について分からない事を質問して、納得いくまでよく聞く(メモをとり、説明に関する資料や図、絵はコピーをもらう)ことが大切です。また、その際のポイントは以下の4つです。

  1. この治療法にはどんな後遺症や副作用があるのか?
  2. この治療法の臨床成績はどうか?
  3. その他の治療法にはどんな後遺症や副作用があるのか?
  4. その他の治療法の臨床成績はどうか?

治療法に関して、「どうしますか?」と聞かれて、即答する必要はありません。
家に帰ってどのような治療法を選択するかじっくり考え、場合によってはセカンドオピニオンやサードオピニオンを受けても良いかもしれません。
お医者さんも、患者さんと家族が納得して治療を受けてもらう事を大前提として説明をしています。
ただでさえ不安なことも多い中で、気持ちの面でも前向きになれるよう、自分自身の中で分からない事がある場合はそれを取り除いて治療できるのがベストだと思います。


 

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参考文献:がん宣告「される前に!」「されたら!」まず読む本 – 京都府立医科大学前学長 吉川 敏一(著)

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