抗がん剤の副作用について正しい知識を持つことは、治療への恐怖心を和らげ、不必要な不安に陥らないためにも非常に大切なことです。
副作用の発生時期は予測が可能
細胞障害性抗がん剤の場合は、それぞれの副作用ごとに発生の仕組みが違います。したがって、どんな症状がいつ頃現れるかという、だいたいの予測を立てることができます。
抗がん剤投与直後には、急性の吐き気やアレルギー反応などが起こります。これは、体が抗がん剤という異物に対する防衛反応(免疫反応)を起こしているためで、ほとんどの抗がん剤で起こりうる副作用です。
その後、体の正常細胞は、抗がん剤により様々なダメージを受けていきます。口内の粘膜細胞が炎症を起こすのは投与後2~10日頃。毛髪の毛母細胞が影響を受け脱毛が始まるのは2~3週間後。
骨髄抑制のため白血球が減少するのは1~2週間後といった具合に、時期によって様々な症状が現れます。
しかし、これらの症状がすべて現れるわけではありません。症状が現れる時期や程度には個人差があります。
強い副作用が現れることもあれば、まったく副作用が現れない人もいますので、一般的な目安として考えておくと良いでしょう。
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参考文献:抗がん剤治療中の生活ケアBOOK - 中川靖章 監修