2020年に正式承認された「子宮頸がんワクチン9価」や定期予防接種の現在の状況

2020年に正式承認された「子宮頸がんワクチン9価」や定期予防接種の現在の状況

子宮頸がんの予防法として、子宮頸がん検診を定期的に受けることのほかに、子宮頸がん予防ワクチンを接種することで、ヒトパピローマウイルスの感染を予防することが挙げられます。

2020年現在、日本でのHPVワクチンの動向について

現在世界の80カ国以上において、HPVワクチンの国の公費助成によるプログラムが実施されており、先進国では既に9価ワクチンが主流となっています。
日本では、2020年7月21日に9価ワクチンが正式に承認されましたが、公的予防接種の対象となっているHPVワクチンは2価と4価の2種類になります。
9価は承認されたばかりのため、公的予防接種に組み込まれるかどうかの議論はこれからの段階。

HPVは100種類以上ありますが、子宮頸がんなどを引き起こすハイリスクのウイルスは、16型や18型など約13~15種類とされています。
「価」というのは防ぐことができるウイルスの種類の数のことで、2価=2種類のHPVウイルス、4価=4種類のHPVウイルス、9価=9種類のHPVウイルスを防ぐことを意味します。
つまり、9価ワクチンはより予防効果が高いとされ、約90%の子宮頸がんを予防できると期待されています。

日本での公的予防接種について

平成25年4月から予防接種法に定められた定期の予防接種として実施されていますが、平成25年6月14日付で厚生労働省からヒトパピローマウイルス感染症のワクチン接種に関する積極的勧奨(対象者へ個別に通知し接種を勧めること等)を差し控えるよう勧告*がありました。
*厚生労働省の検討部会において、ヒトパピローマウイルスワクチン接種後に見られる一部の症状に、ワクチン接種との因果関係が否定できない事例があり、早急な調査と速やかな専門家による評価が必要とされたため。そのため、各自治体で家庭に通知を送るなどを差し控えているところが多く、予防接種として無料で受けられることを知らない人も多くいるようです。

ですがその後、厚生労働科学研究事業の研究班の調査により、以下のような報告がなされています。

HPVワクチン接種歴のない人においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」が一定数存在する

-厚生労働省:HPVワクチン接種後に生じた症状について

現在も日本では、積極的勧奨はされていませんが、接種を希望する場合は、定期予防接種(公費対象年齢は小学6年生から高校1年生相当年齢の女子)として、委託医療機関で接種を受けることができます
  
 
私はワクチンの現状をしっかり理解することで、予防接種を受ける・受けないを自分で選択することが大切だと考えます。
受ける場合、「予防接種にはどんな効果が期待できるのか」「その際にどのような副反応がおこる可能性があるのか」「もし副反応が起きたらどうするか」を理解して、疑問を解消し接種を受けることができると思います。
このあとの記事では、そんな予防接種に関する気になる点を、参考文献を元にQ&A形式でまとめています。

もっと詳しく知りたい「子宮頸がん予防ワクチン」Q&A①

前回の記事では、日本での子宮頸がん予防ワクチンの現状に触れま…

もっと詳しく知りたい「子宮頸がん予防ワクチン」Q&A②

接種したら、子宮頸がん検診を受けなくてもいい? ワクチン接種…



ベクトル画像 著作者:People vector created by pch.vector – www.freepik.com
参考文献: よくわかる最新医学 子宮がん 頸がんと体がんの診断・治療・生活 – 小田瑞恵 / 斎藤元章
参考URL: 厚生労働省:子宮頸がん予防ワクチンQ&A
公益社団法人 日本産婦人科学会「子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために」
手を洗う救急医Takaさんと考える、このままで大丈夫?日本のワクチン事情————HPVワクチンを知っていますか(後編)

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