「胆道がん」の分類・治療法の選択と流れについて

「胆道がん」の分類・治療法の選択と流れについて

胆道がんでは手術療法が第一選択

胆汁の通り道にできたがんを総称して胆道がんと呼び、がんが発生した部位によって治療法は変わります。
発生部位により切除方法や難易度は違いますが、どの部位であっても、胆道がんの第一選択となるのは手術療法です。
治療法の選択では、最初に手術が可能かどうかを検討します。その際の判断基準となるのが、がんの大きさや広がり具合、リンパ節や他臓器への転移の有無などから決定される病期全身状態です。

胆管炎や胆道狭窄などにより全身状態が悪化し、安全性が確保できないと手術ができませんので、まず胆汁がながれるような処置(胆道ドレナージ)を行い、全身状態が改善したことを確認してから再度手術の検討を行うこともあります。
そのほか、病巣の広がりが大きく重大な血管まで浸潤*している場合、大動脈周辺のリンパ節がある場合、腹膜播種*がある場合は、原則として手術を行いません。

*浸潤
周囲に染み込むようにがんがひろがっていくこと。
*腹膜播種
播種(はしゅ)とは種がまかれたようにがんが広がることで、がん細胞が臓器の壁を越えて腹膜に広がることを腹膜播種という。

手術ができない場合の選択肢

手術ができない場合の標準治療は、抗がん剤などによる化学療法です。ここ数年では抗がん剤の選択肢も増え、有効性が確認されています。
標準治療ではありませんが、先進医療として、肝内胆管がんに対して陽子線治療重粒子線治療といった粒子線治療も行われています。
一般的に行われるX線やガンマ線による放射線治療に比べると、腫瘍以外の健康な組織への悪影響が小さく、腫瘍に対してピンポイントで治療できるとして期待されています。
 
粒子線治療については以下記事に記載しています。

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胆道閉塞を起こしている場合は胆道ステントを行い、胆汁の流れを確保します。

胆道がんの分類

肝外胆管がんは、国際分類(UICC 第7版)では肝門部周囲と遠位の2つ、日本の分類(癌取扱い規約)では肝門部領域、遠位の2つに分類されています。
 

国際分類 日本の分類
肝内胆管がん 肝内胆管がん
肝外胆管がん 肝門部周囲 肝門部領域
遠位 遠位
胆のうがん 胆のうがん
十二指腸乳頭部がん 十二指腸乳頭部がん

 

胆道がんの治療の流れ


 
[出典]日本肝胆膵外科学会、胆道癌診療ガイドライン作成委員会 編,『エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン改訂第2版』医学図書出版株式会社, 2015年をもとに一部改変

 
 
胆道がんに関する検査と診断の流れ・病期分類についてはこちらの記事に記載しています。

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参考文献: 国立がんセンターの肝・胆・膵がんの本 - 監修 島田和明 / 奥坂拓志 / 池田公史

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