肝がんの治療法を選択するための、病期と肝臓機能について

肝がんの治療法を選択するための、病期と肝臓機能について

肝がんの病期(ステージ)と肝障害度分類

肝がんであることが確定したら、「病期」によりがんの進行具合を分類します。
肝がんの病期は、がんの大きさ個数がん細胞が肝臓内にとどまっているかどうか、リンパ節や他の臓器への転移の有無により、ステージⅠ~ⅣBまでの5段階に分類されます(TNM分類)。

肝がんの場合は、病期とは別に、肝臓の機能も重要な指針となります。
患者さんはそれ以前に慢性肝炎や肝硬変にかかっていることが多く、がんを取り除くことができたとしても、肝不全など生命の危機を招くことにもなりかねません。そこで、事前に肝臓の機能を調べて、どれくらいの治療に耐えられるのかを考慮したうえで治療法を検討します。

肝機能の評価方法として用いられる「チャイルド・ピュー(Child-Pugh)分類」は、各項目の合計ポイントで評価し、局所療法や化学療法など治療を選択するときの目安として用います。
肝障害度分類」は、5つの項目のうち2項目以上に当てはまる障害度が適用され、肝切除などの外科的治療のときの目安となります(2ヵ所以上に該当する場合は高い方に分類)。

チャイルド・ピュー(Child-Pugh)分類

各項目のポイントを加算し、その合計点で分類する。

項目 1点 2点 3点
脳症 ない 軽度 ときどき昏睡
腹水 ない 少量 中等量
血清ビリルビン値(mg/dL) 2.0未満 2.0~3.0 3.0超
血清アルブミン値(g/dL) 3.5超 2.8~3.5 2.8未満
プロトロンビン活性値(%) 70超 40~70 40未満

A:5~6点、B:7~9点、C:10~15点

肝障害度分類

各項目のポイントを加算し、その合計点で分類する。

項目 A B C
腹水 ない 治療効果あり 治療効果少ない
血清ビリルビン値(mg/dL)*3 2.0未満 2.0~3.0 3.0超
血清アルブミン値(g/dL)*4 3.5超 3.0~3.5 3.0未満
ICG R15%*5 15未満 15~40 40超
プロトロンビン活性値(%)*6 80超 50~80 50未満

[出典]日本肝癌研究会編,『臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約 第6版』金原出版,2015年をもとに一部改変
*3 [ビリルビン]
値が大きいほど肝機能が低下していることを示す。
*4 [アルブミン]
肝臓で合成されるたんぱく質の一種で、血液中でさまざまな物質を運搬する。血液中のアルブミンの減少は、肝機能の低下を意味する。
*5 [ICG R15]
値が大きいほど肝機能が低下していることを示す。
*6 [プロトロンビン]
肝臓で合成されるたんぱく質で、出血を止める働きがある。プロトロンビン活性値とは、プロトロンビンが正常な人を100としたときの数値。

 

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参考文献: 国立がんセンターの肝・胆・膵がんの本 - 監修 島田和明 / 奥坂拓志 / 池田公史

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