呼吸困難感を和らげるケアは、治療と日常生活の工夫で

呼吸困難感を和らげるケアは、治療と日常生活の工夫で

呼吸困難感の原因

呼吸困難感の原因には、肺や気管支といった呼吸器官の問題によるものと、それ以外の身体症状によるものがあり、また、精神的な原因によるものもあります。
 
肺や気管支以外の身体症状によるものでは、胸水がたまっている場合と、腹水や便秘によって横隔膜が圧迫されている場合、強度の貧血による場合などがあります。
精神的な原因としては、不安や恐怖が、呼吸困難感を強めることがあります。

呼吸困難感の対処法

まず呼吸困難感の原因となっている病気・症状の治療が行われるほか、酸素療法と薬物療法がとられます。酸素療法は血中の酸素濃度が低い場合に行われ、酸素吸入を行うことで息苦しさを軽くし、酸素不足のために弱っていた体の組織の機能を改善します。
薬物療法では、モルヒネを用いて脳の中枢に働きかけることで、息苦しい感じを軽くし、せきを鎮めます。同じ目的でステロイドを使用する場合もあります。

ほかに、以下にような日常の工夫によって、呼吸困難感を減らす事ができます。

室内の空気の調整

換気をよくし、室温や温度をやや低めに、快適に保つようにします。

楽な姿勢をとる

枕やマットレスを使って上半身を起こした姿勢をとるなど、楽だと思える姿勢をとりましょう。枕などを抱えて前方の机にうつぶす姿勢や、状態を起こした姿勢など、自分が一番楽だと思える姿勢がよいでしょう。ただし、長時間同じ姿勢でいると床ずれを起こしたり、痰がたまりやすくなったりするので、時々ゆっくりと姿勢をかえるようにしましょう。
衣類はゆったりしたものにし、寝具による圧迫も避けます。

痰を出す、口の中をうるおす

水分をとり、うがいをしたりして、痰にねばりが出ないようにしましょう。
痰にねばりが出ないようにするという目的の他、感染症予防のためにも、うがいや歯磨きをまめに行うとよいでしょう。
また長く同じ姿勢でいると痰がたまるので注意しましょう。痰を出しやすくする薬もあります。

食事の工夫

楽なときに食べるようにします。水分を多めにし、高カロリーで食べやすいものをとるようにしましょう。とろみをつけた増粘食品やゼリーは薬局でも購入できます。
飲みにくくなる嚥下障害については、担当医や看護師、作業療法士に相談し、口の中のケアと合わせて指導してもらうようにすると良いでしょう。

排便の調節

排便の困難によって呼吸困難感も増すことがあるため、水分を多めにとるなど、便秘に注意しましょう。腹部のマッサージも有効です。普段の排便習慣によりますが、おおむね3日以上の便秘は担当医や看護師に相談てみましょう。

心のケアをする

不安感や恐怖感が原因となることがあります。身近な人に話を聞いてもらったり、場合によては心のケアの専門家に相談するのが良いでしょう。

その他

入浴による疲れや、不必要に多い会話によっても呼吸困難感が増すので、入浴時間を短めにする、会話はゆっくりと行うなどの工夫をしましょう。また、睡眠を十分にとることも必要です。不眠が続くときは、医師に相談をしましょう。


参考文献: 国立がんセンターのこころと苦痛の本 - 監修 清水研 / 里見絵理子 / 若尾文彦

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