体や気分にあらわれる「心の苦痛」のサインにはどんなものがある?

体や気分にあらわれる「心の苦痛」のサインにはどんなものがある?

不安や落ち込みは「弱さ」ではなく「自然な反応」

がんだとわかってから、あるいは再発がわかってから、心が不安や恐れでいっぱいになってしまう方は多く、生活に支障が出る場合も少なくありません。

罹患した時の不安や恐れ、現実を否定したくなる気持ちは、心が弱いから生じるわけではなく、自然な心の反応として多くの人にあらわれるものです。

できれば1人で抱え込まずに、周囲の人に相談してみてください。
自分の気持ちを言葉で表現するのは難しいかもしれません。
例えば以下の「心の苦痛のサイン」のなかに当てはまる言葉はありますか?

気分にあらわれる「心の苦痛」のサイン

  • 1日の大半が憂うつで、落ち込んでしまう。
  • いつも楽しんでいたことが楽しめない。ほとんどのことに興味がもてない。
  • 心配な事が頭から離れない。
  • リラックスができず、いつも緊張している。
  • イライラがおさえられない。
  • 自分のことを価値がないと感じてしまう。
  • 「自分のせいで〇〇になってしまった」「自分はどうして〇〇しなかったのか」などと自分を責めてしまう。
  • 考えることや、集中することができない。
  • 普段できていた日常のことができず、物事が決められない。
  • 死ぬことを考えてしまう事がある。
体にあらわれる「心の苦痛」のサイン

  • 体重が5%減ってしまった(例:体重が65kgから61kgに減る)
  • 食欲がない状態が続いている
  • 眠れない
  • そわそわして落ち着かない
  • 話し方や動作が遅くなった

(以下は、治療の副作用や病気の症状とは別に)

  • 気力が無くなるなど、疲れている状態が毎日続く
  • 吐き気がする
  • とつぜん、息苦しくなる
  • めまいや動悸がする

 
いくつか当てはまる方は、家族や担当医、看護師などにサインを相談してみてください。話すだけでも落ち着くことがあります。

また、以下の状態が2週間以上続いたりしていませんか?

  • 一日の大半が憂うつで、落ち込む
  • ほとんどのことに興味がもてない
  • いつも楽しんでいたことが楽しめない

その場合は、「うつ病」や「適応障害」といってケアが必要な状態にあることが多いので、なるべく早めに担当医や看護師に相談しましょう。

 
こちらの記事では、「気持ちを伝える際に役立つ『DESC』というコミュニケーション方法」を紹介していますので参考にしてみてください。
 

自分の気持ちに正直になれる、4つの伝え方②

前回の記事では、自己表現する際の伝え方にはパターンがあり、そ…



ベクトル画像 著作者:Design vector created by freepik – www.freepik.com
参考文献:国立がん研究センターのこころと苦痛の本~こころと体のつらさを和らげるためにできること~ – 清水 研 国立がん研究センター中央病院 精神腫瘍科長、里見 絵理子 国立がん研究センター中央病院 緩和医療科長、若尾 文彦 国立がん研究センター中央病院 がん対策情報センター長(監修)

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