私は自分の気持ちを言葉にして相手に伝える事があまり得意ではあ…
前回の記事では、自己表現する際の伝え方にはパターンがあり、その中の「アサーティブな主張」という伝え方を目指すと、自他尊重型の伝え方ができるということをお話しました。
私自身は、夫婦間など自分の生活にとって身近な存在になればなるほど、「優先してほしい」や「自分の意見が通らないのはおかしい」のような考えが先行し、”自分も相手も尊重したコミュニケーション”が難しくなっていたように思えます。
そんな性格やコミュニケーションの取り方を修正するのは難しそうですが、アサーティブな主張をする際に「DESC」という伝え方のコツがあります。
気持ちを表現しにくい場面で力を発揮する「DESC」
「DESC」とは、アメリカのバウアー夫妻が考案した、次のアルファベットの4つの頭文字を組み合わせたコミュニケーション方法です。
Describe-説明する
「相手の行動」を客観的に述べる
ここでは自分の感情は伝えずに、「相手の行動」を客観的に描写します。
またポイントとして以下のようなことが挙げられます。
- 抽象的、曖昧な言葉は使わずに具体的な言葉を使う
- 特定の時間、場所、その行動頻度を述べる(「いつも」のように一般化しない)
- 相手の動機や目的を推測しない
✕「待ち合わせ場所にちゃんと来たことないよね」
〇「今日、待ち合わせに30分遅刻したね」
Express-表す
「自分の感情」を表現する
自分の正直な気持ちを伝えます。その時に相手を責めたり感情を爆発させず穏やかに表現します。
- 相手に恥をかかせたり、攻撃したりするような否定的な感情を述べない
- その人の性格に目を向けず、特定の行動に目を向ける
〇「仕事が忙しそうだね。でも30分以上待っていると何かあったのかと心配になるよ」
Specify-述べる
相手に「行動変容」を頼む
単に「変わってほしい」と要求するのではなく、具体的に「小さな変化」を伝えます。また「自分も行動を変えてもよい」ことを述べ、歩み寄る用意があることを伝えます。
- 小さな変化をお願いする
- 相手が混乱しないよう一度にひとつかふたつの変化を頼む
- やめてほしいこと、あるいは続けてほしいことを具体的に述べる
〇「遅れるときは、待ち合わせ時間の10分前に連絡してくれるかな」
Consider-慮る
自分が「次にとる行動」を伝える
相手の行動を受けて、自分がどう行動するか伝えます。
- YESの場合とNOの場合の行動を考える
- YESの場合こんな報酬があることを、NOであればこんなペナルティ(現実的で自分もできること)があることを伝える
✕「約束してくれてありがとう。その言葉、忘れないから。」
〇「ありがとう。10分前に連絡もらえれば、大丈夫だよ。私も他のお店みたりしているね。」
<NOの場合>
✕「10分前に連絡するのも難しいんだ。じゃあ私も待たないねー。」
〇「10分前難しいんだね。そしたらどのくらいなら連絡できる?時間になって「遅れる」と言われると楽しみにしてたのにがっかりしちゃうよ。」
アサーティブなコミュニケーションには、このようなコツがあるようです。急にすべての要素を取り入れるのは難易度が高そうですが少しずつ意識する事で慣れていく事ができると思います。
私はまず「Describe-説明する」と「Express-表す」を心がけることにしました。
また、その際にアイ(I)メッセージという、主語を”自分”にして「私はこう思ったんだ」という伝え方も利用すると自己表現がしやすくなると感じています。
自分を好きでいながら、また人にも優しくいられるように、紹介した「DESC」の伝え方を役立てて下さい。
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参考文献:「つらい気持ち」をためこまない! 50の方法 – 文教大学臨床心理学科・臨床心理学専攻教授、文教大学付属臨床相談研究所所長 土沼 雅子(著)