胃の切除後に起こりやすい症状を改善する献立の作り方

胃の切除後に起こりやすい症状を改善する献立の作り方

手術の後、色々なものが食べられるようになり量も増えてくると、胸やけやダンピング症候群といった、後遺症がでることが多くなります。この原因は、一度にたくさん食べてしまうことや食後すぐに横になること等が挙げられます。

また、このような後遺症は一度経験してしまうと、同じ事が繰り返されるのでは、と食べること自体が億劫になり体重減少につながってしまうことがあります。
そのため、適切な対処法を身につけ、後遺症が出た後でも美味しく食べられる献立を増やしていけると良いでしょう。

献立として、「主食」「主菜」「副菜」「汁物」を揃えなくてはいけないという事はありません。自分の症状に合わせて食べられるものを食べられる分だけ、を基本に考えるのが良いでしょう。

胸やけ

逆流性食道炎や胃炎が原因であることも。食べると気持ち悪くなるので、なるべくのどごしの良いものを選ぶのがコツ。
献立例)
主食・・・ミルクがゆ
副菜・・・蒸しかぶら

胸やけするときは、油ものや卵、チョコレートなど脂肪の多いものは避けるのが良いでしょう。ミルクがゆやリゾットのように栄養価の高いものを少しづつ、がポイントです。

ダンピング症候群

冷や汗やめまい、しびれ、頭痛、腹痛などの症状。食後すぐに出る場合と2~3時間経ってからのものがある。
献立例)
汁物・・・ささみの中華スープ
主菜・・・白身魚のクリーム煮
デザート・・・・フルーツゼリー

糖質を避けて、「高たんぱく」「高脂肪」のものから少量ずつ食べましょう。高たんぱくな白身魚と高脂肪の生クリームはベストな組み合わせ。ゼリーものどごしが良いのでおすすめです。

味覚の変化

亜鉛の吸収が悪くなるので、味覚が変わることがあります。味がわからなくなり食欲が衰退することも。
献立例)
主食・・・やわらかいごはん
汁物・・・けんちん汁
主菜・・・豚ヒレ肉の焼肉風
副菜・・・小松菜の卵とじ

味にメリハリのあるメニューや、亜鉛の多い食材をなるべく食べると良いでしょう。豚肉やレバー、かき、納豆などを取り入れてしっかり味がおすすめです。

下痢

胃の切除後、1~2カ月後くらいから、食べ物が一気に小腸に流れ込むため起こります。腹痛や食欲減退の原因にも。
献立例)
主食・・・たまご豆乳入りにゅうめん
副菜・・・ふろふき大根

下痢になったときの食事は、なるべく消化しやすく、温かいものを選ぶのが良いでしょう。

貧血

胃を切除したことによって鉄とビタミンB12の吸収が悪くなることで、動悸や息切れ、めまいなどの症状があらわれます。
献立例)
主食・・・おかゆ梅&おかかじょうゆ
主菜・・・レバーの甘露煮
副菜・・・ほうれん草のおひたし

ほうれん草や小松菜、ブロッコリーなどの緑の野菜やレバー、あさりなどの貝、青背魚などを取り入れると良いでしょう。レバー&ほうれん草の組み合わせは、貧血を改善する効果も。

牛乳不耐症

胃を切除すると、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする、腹痛や下痢などを起こすことがあります。
献立例)
主食・・・ふんわり卵雑炊
主菜・・・豆乳鍋
副菜・・・にんじんのコク味和え

牛乳・ヨーグルト・チーズといった乳製品をなるべく避け、カルシウムの多い食品をとります。小魚や豆乳、小松菜、ごま等をとりいれるといいでしょう。

今後レシピの詳細など、実際につくったものも紹介していきたいと思います!


 

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参考文献:毎日おいしく食べる! 胃を切った人のための食事 – がん研有明病院 比企 直樹(著)
参考URL:胃切後、ダンピング症候群(低血糖、脱力感、めまい、息苦しさ等)に悩まされ続けた。 – 静岡県立 静岡がんセンター

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