2018年にフランスで出版された絵本「ママはかいぞく」
ぼくのママは かいぞくなんだ。
ふねのなまえは 〈カニなんてへっちゃら〉ごう。
もう なんかげつもまえから ママは たからのしまを めざして、
かいぞくなかまと そのふねで たびをしている。
たびから かえってくると、ママは いつも とてもつかれているみたい。
物語を読み進めていくと、海賊のママが闘っていたのは乳がんだとわかる「ママはかいぞく」という絵本は、2018年にフランスで出版された直後から大きな話題となり、現在は9カ国で翻訳されています。
ストーリー
主人公の少年のママは、日々、海賊の仲間たちと宝島を目指して航海に出かける。
帰宅すると具合が悪そうにぐったりするママ……。日に日に元気がなくなり、
食欲も落ちていくが、宝島を見つけた日を境に元気を取り戻していく。
一見、たわいないストーリーだが、裏の真のストーリーに気づいたとき、
感動が押し寄せてくる。類のない、大人も楽しめる仕掛け絵本。
フランスで話題に。
病気と立ち向かうには時間がかかること、治療は楽しいことばかりではないこと、食欲がなくなることもあること、髪の毛が抜けてしまうことがあること(ママはすてきなバンダナを巻いています)、治療で疲れてしまうこともあることなど「治療の現実」が、幼い子どもにも伝わるようなかんたんな言葉で、そしてユーモアを持って語られます。絵もとても魅力的で、楽しみながらも現在のがん治療を知ることができる、とても素敵な本でした。
りすこさんのnoteより
筆者の、カリーヌ・シュリュグ(Karine Surugue)さんは4人の子供の母でもあり、モンテッソーリ教育法の講師をする傍ら、絵本を執筆しているそう。自分が乳がんを患ったとき自分の病気のことを幼い子供へ説明するために、こちらの絵本を描いたとのこと。
小さいお子さんに病気のことを知ってもらうきかっけとしても柔らかく説明できる素敵な絵本だと思いました。📚