「治るという前提でがんになった」を読んでみた

「治るという前提でがんになった」を読んでみた

インスタのストーリーで治療の際に参考にされた本を聞いたところ、何点か教えていただいた中に、「オーシャンブリッジ高山知朗さんのブログや本が参考になり励みになった。」というご意見をいただきました。

「治るという前提でがんになった-情報戦でがんに克つ」という本を出版されていて軽い気持ちで読み始めました。
まず驚いたのが、母と同じ虎ノ門病院・同じ主治医の先生の元で白血病の治療を行ったと記されており、偶然の遭遇を感じました。
虎ノ門の13階(血液内科)へは毎日通っていたので、無菌室やICUや病院独特の匂いまで鮮明に思い出し、個人的には涙なしでは読めませんでした。

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ご自身の治療体験についてフラットに綴られており、特に悪性脳腫瘍、悪性リンパ腫や白血病の方は、できれば早い段階で一度読むと参考になると思います。
こんなに頭が良くて強い方でも治療の時は弱気になったり後ろ向きになったりもするし、それは当たり前なんだ。とも思いました。

こちらの本に記されていた、全てのがんに共通して大切だと感じた病院選びに関して自身の感想も踏まえてまとめさせていただきます。

病院選びは命の長さを選択するのと同じ

このタイトルをみると少しドキっとしますが、病院選びは超重要という事だと思います。

治療法や薬は日々進化しています。海外の血液学会誌には、新しい治療法による生存率の向上に関する論文が頻繁に投稿されています。こうした最新の治療を積極的に取り入れている病院であるかどうかは非常に大切です。

日々進化していくがんの治療に対する病院の向上的姿勢や風通しの良さ「患者さんを本気で治そうと奮闘している」という事とイコールになるのではないかと思います。

ではどうやって病院選びをするといいのかということに対する高山さんの考えについても、本で記載がありました。

治療成績は中々外には出て行きませんし、患者さんの満足度や生活の質はそもそも数値で表すことが困難です。それを考慮すると、やはりその病院が経験した患者数は間接的ではありますが、1つの判断する基準になり得るものだと思います。

「がんサポート」というサイトでがんの種類別に様々な病院のがん専門医が最新の治療や薬について解説しています。その医師が所属する病院の治療方針や考え方を知ることにもつながるので、病院のHPと合わせて読むと病院選びの参考になると思います。

がんの治療中は、個人個人の個体差もある中で過去のデータを元にした成功率%(確率)等でしか予測ができず、絶対の無い難しい選択の連続です。

正直、母の治療に関しても、もっとこうしていたら結果は変わっていたのかな、と後悔している部分が少なからずありました。
こちらの本で、虎ノ門病院の血液内科の事は、”さい帯血移植の患者数が世界一にもかかわらず、それに安住せずリーダーも若手の先生も常に海外の最先端の治療へ目を光らせ、新しい治療を取り入れている”と評判されていました。
それを読んで、その先生達や母や父が一緒に考えに考えてその時々で最前の選択を行ったのだから、過去を責める必要はないかも。と思えた部分もありました。

本のサブタイトル「がんに克つ」と「勝つ」ではない漢字を使っているところから、力を尽くして事をしとげるという強い意思を感じます。
「後悔の全くない選択」なんて難しいかもしれないけれど、度重なる選択の中で「後悔の少ない選択」へ近付けるアドバイスが記されていると思います。

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