治療に専念するためにも、病気になった際に使える「公的医療保険」を知ろう。

治療に専念するためにも、病気になった際に使える「公的医療保険」を知ろう。

がんの治療に専念するためにも、しっかりと理解しておきたい公的医療保険。まずは、どのような公的制度があるのかを知りましょう。

加入している医療保険を確認

がんに限らず、検査や治療などの医療行為を受けたときの費用には、公的医療保険が適用され、医療費の一部を負担してもらえます。
国民皆保険制度」を導入している日本では、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入していますが、医療保険にはいくつか種類があり、所属などによって加入保険が異なります。

おもな医療保険は、会社員が加入する健康保険と、自営業や専業主婦などが加入する国民健康保険
さらに、健康保険のなかでも会社の規模によって「健康保険組合」と「協会けんぽ」があるなど、所属によって医療保険は異なります。

医療保険の種類によって、受けられるサービスや手続き窓口などが異なりますので、自分の加入している医療保険を確認しておきましょう。

■医療保険の種類

加入者会社員船員(扶養家族含む)公務員(扶養家族含む)自営業など75歳以上
大企業中小企業
保険の種類組合管掌健康保険(組合健保)全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)船員保険共済組合国民健康保険後期高齢者医療制度
窓口各健康保険組合全国健康保険協会の各都道府県支部全国健康保険協会船員保険部各共済組合各市区町村窓口各市区町村窓口

年齢によって異なる負担制度

公的医療保険の適用は認められた「保険診療」を受けた場合、どの病院で受けた医療サービスでも料金は同じです。しかし、年齢によって、窓口で支払う自己負担額が異なります。

どのような医療保険でも、70歳未満では3割負担、70~74歳では2割負担、75歳以上の後期高齢者では1割負担となります。
そして、70歳以上でも、一定以上の所得がある「現役並み所得者」は3割負担です。

「混合診療」は全額自己負担

医療保険が認められた「保険診療」以外の治療や薬などは「保険外診療(自由診療)」と呼ばれ、全額自己負担となります。また、原則として、保険診療と自由診療を併用する「混合診療」は禁止です。
保険外診療と併せて保険適用となる検査や治療を行った場合は、過去の保険適用の分も含めてすべてが自己負担になってしまいます。

自由診療のなかでも、差額ベッド代や180日を超える入院料などの「選定療養」と、先進医療や医学品の治験治療費などの「評価療養」については、例外的に保険診療との併用が認められています。(保険併用療養費)

しかし、とくにがん治療では国内未承認のあたらしい薬を使いたい場合なども多いことから、治験の参加基準に満たない患者さんでも人道的見地から治験に参加できるようにする「拡大治験」が導入されました。
また、先進医療が行われていても受診基準から外れてしまう場合などに、患者さんからの申し出があれば保険外診療との併用を可能とする「患者申出療養」も、2016年から始まりました。

また、経済的負担を軽くする制度についてはこちらの記事にまとめています。⬇️
 

「高額医療制度」以外も。医療費が高額になった時に、経済的負担を軽くする制度一覧

保険診療については、医療費の一部を自分で負担することになりま…


参考文献:国立がん研究センターのがんとお金の本 (国立がん研究センターのがんの本) – 監修 片井均 国立がん研究センター中央病院 胃外科長 / 大江裕一郎 国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科長 ほか

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