がん治療にかかってくる、お金の見通しをたてよう②

がん治療にかかってくる、お金の見通しをたてよう②

検査にかかるお金

がんと診断される前、人間ドッグや健康診断で検査を受けた場合は保険が適用されませんので、全額自費となります。
一方、市町村が実施するがん検診では、補助金により一部の費用が負担されています。これらの検査で「がんの疑いあり」「要精密検査」となった場合に行う検査は保険適用となりますので、自己負担は1~3割です。

PET/CT検査については一部疾患を除いて全額自己負担でしたが、2010年4月から、早期胃がんを除くすべての悪性腫瘍で健康保険の適用となりました(ほかの検査、画像診断で病期の診断、転移・再発の診断が確定できない場合)。
がん治療後の経過観察中にも、治療効果の確認、再発・転移のチェックを目的に定期的に検査を行う必要があります。こうした検査費用も保険適用です。

治療にかかるお金

がんを取りきることが可能な早期がんならば、治療の初期(週術期)に手術や放射線治療を行うため、その時期にお金が集中してかかります。
検査をする機会も多く、入院が長くなるほど入院費も多くなります。
手術後、再発や転移を予防する目的で抗がん剤治療を行うこともありますが、一定期間抗がん剤治療を行ったら、その後は経過観察となります。

一方、進行したがんの場合、手術でがんを取り切り完治させることが難しいため、長期間にわたって抗がん剤や分子標的薬による薬物療法を行うことになります。抗がん剤はしばらく使っていると効きにくくなることがわかっており(薬剤耐性)、それまで使っている抗がん剤が効かなくなると、別の種類の抗がん剤で治療を継続します。抗がん剤と分子標的薬を組み合わせて使う場合など、1サイクル(3週間)で10万円近くかかることもあり、経済的な負担はかなりのものです。
このような「標準治療」の多くは保険適用であり、高額療養費などの公的制度を利用することができます。しかし、先進医療は保険診療との併用が認められているものの、治療費は自己負担となります。
また、日本では未承認の薬を使った場合や補完代替医療などは、全額自己負担です。

入院にかかるお金

がん治療では、検査や手術のために数日から数週間入院することがあり、入院期間が長いほど費用がかかります
内視鏡を使った手術が増えたことなどで入院期間は短くなっていますが、切開範囲の大きい食道がんなどでは2~3週間も入院することになります。

入院にかかる費用は大まかに以下の通りですが、国立がん研究センターをはじめ大きながん専門病院や大学病院では「DPC*」という医療費制度を導入しているところが増えており、入院費、治療費などというように明確に分けることが困難です。

*DPC(診断郡分類包括評価)
病気の種類、症状、治療内容、入院日数の組み合わせごとに総医療費があらかじめ設定されている医療費の評方式。
検査、治療、薬などの費用を合算する、従来の「出来高払い方式」とは違い、1日当たりの保険点数が決まっていて、薬や注射、検査なども決められた点数に包括されています。

・入院基本料(診察料、看護料、室料、寝具代など1日単位で算定)
・食事負担額
・差額ベッド料
・病院で貸し出す病衣やタオルのレンタル料
・テレビや冷蔵庫の使用量
・入院証明書などの文書料

入院が長期に及ぶ場合や月をまたぐ場合、入院費用(治療費含む)の請求書は1か月ごとに発行され、約10日以内に支払うことになります。

その他のお金

検査費や治療費、入院費など病院に支払うお金以外にも、通院のため、または付き添いの家族の交通費、入院用のパジャマや日用品代などは、積み重なると意外に大きな額になるものです。

また、補完代替医療やサプリメント、健康食品のほか、リンパ浮腫を改善するためのマッサージなど、体調を維持し、QOL(生活の質)を向上するための費用がかかることがあります。
なかには高額なものもありますので、利用に際しては情報取集を行い、十分に検討したうえで判断するのがよいでしょう。

「がん治療にかかってくる、お金の見通しをたてよう③」では、具体的にどれくらいのお金がかかったかをまとめています。⬇️
 

がん治療にかかってくる、お金の見通しをたてよう③

がんの種類や治療フェーズによって、かかる治療費は大きく変わっ…



ベクトル画像 著作者:Business vector created by macrovector_official – www.freepik.com
参考文献: よくわかる最新医学 子宮がん 頸がんと体がんの診断・治療・生活 – 小田瑞恵 / 斎藤元章

この記事がお役に立ちましたら、
サードプレイスの活動をサポートしてみませんか?