仕事で勤務していたロンドンに戻る計画中の2013年、28歳で…
直感的に知っていてほしいと思った人にのみ話をした、病気のこと。
あまり気を使われて哀れまれるのが嫌でしたので、最近までは本当に親しい人にしか話していませんでした。
また、話すのが辛い時に個人的にわざわざ話した人たちは、もともと親しかった人ばかりですが、大事なことを打ち明けたり、サポートしてもらったりと、話したことで更に近くなったと思います。
ポジティブな気分はなるんじゃなくて、探すもの。
「あー最悪」と思った時に、今日あった良いことを3つ書き出してみる。抗がん剤で気持ち悪くてずっと寝てたけど、今日は5分お散歩出来た、お散歩したら道に花が咲いていた、風に舞ってる葉っぱが綺麗だったとか。家族が笑わせてくれた、友達から連絡がきた、りんごが美味しいと思ったとか、何でもいいと思います。
頭や思考の癖なので、そのうちゲームみたいに、見つけるのが得意になってきます(笑)
得たものは、いてほしいって言わなくても、周りに支えてもらった経験。大人になってから両親と過ごした時間。大事なことの本質を見る力。当たり前なことに感謝する気持ち。辛いときこそ笑ってみる適当さ。
自分に都合が悪いことは忘れてしまうので、今となっては得たものが多いかもしれません。
ココさんの本「がん宣告を受けたあなたへ~前を向くための3つのルール~」を読んで
身体はお医者さんが見てくれますが、精神的な負担が大きいのも事実なのに、人によって合う対応が違う為、標準的な向き合い方なんてない。病院によってはカウンセリングをしてくれるところもあり、サバイバーグループで傷を癒したりできる人もいると思いますが、それを負担に感じる人もいる。
でも、どうしたらこの病気を乗り越えられるかという、向きあい方が知りたいという気持ちはみんなあると思います。どうして、なんで、と1回は考え、みんなそれぞれ自分たちのやり方で、病気を受け入れ、向き合い、乗り越えていきます。
それは簡単なことではなく、適応障害や鬱など、病気に向き合う上で別の障害にもなる場合もあるほどです。
この本は、がんを宣告され、訳もわからず、混乱していた当時の自分が知りたかったことを纏めたものです。
悩んで病気と向き合っている人が、少しでも早くそれぞれのポジティブな感情に辿り着く手伝いができたら、辛い状況にいてどう考えればいいかわからない人を1人でもサポートできたらと思い、短い本ですが5年かけて纏めました。
書くことで感情を整理するタイプなので、自分の為でもありますね。
それまでは、今は辛いけど普通の生活に戻るまで頑張ろうと踏ん張っていました。
4ヶ月で再発した時はお医者さんにもびっくりされ、初めて死を意識しました。もし今の状況よりよくならなかったら、私は辛いまま人生を終わるのか?と思った時に、自分の向き合い方が違っていたことに気がつきました。
良い状況になるまで、待たなくていい。治療中で「辛い」今だって、自分の人生を目一杯楽しめる。そしてそれを決められるのは、私だということに気がつきました。
シャワーを浴びていた時に急に閃き「違う、今から意識を変えたら楽しめるんだ」って思ったのを覚えています。
自分でコントロールできないことばかりに振り回されていましたが、自分がコントロールできる一番の武器に気がついた気がしました。
でもそこにずっといても、身体も心も何も良くなりません。受け入れてあげた上で、じゃぁこの状況をどうやって活用できるかを私は考えます。この状況だからこそ、できることないかな、と。
性格によって得意不得意の差があることですし、簡単なことではないですが、だからこそ無理やりでもいいんです。
私も、さっきまで泣いていたのに、どうやってこの状況の良いところ見つけるんだろうと思う時も、時間がかかることもありますが、とにかく良いことを探してみる。そんなわけないと思っても、仮でもいいから良い面を探してみる。そしたら小さいことでも見つけられたりします。
最後に、今闘病中の方へメッセージをお願い致します!
痛烈ながん宣告から始まり、毎日がショックやびっくりの続きで、体調も悪いと思います。
そんな中で、何か参考になるヒントを探しサードプレイスというサイトにたどり着いた方、病気に向き合おうとしている自分を褒めてあげてほしいです。目をつむりたくなる現実を受け入れ、どうにかしようと思って情報収集やヒントを探すという行動をしているのが、すごい事だと思うからです。
1つお願いがあるとすれば、心と身体は繋がっているので、心のケアも忘れないで下さい。身体は、お医者さんが見てくれます。心は、自分でケアするしかありません。
心に栄養を与えず、毎日悪い事ばかりに目を向けていても、病気も良くなりません。人間は悪いことには自然と目が行くので、大げさに良いことを探すのが私には合っていました。少しずつでも良いので、自分にあったやり方で、心にも向き合い、ケアしてあげると病気は人生の経験値にもなると思っています。
辛い時は無理せず、自分の身体の声、心の声を聞き、素直になって自分の方法で、時には周りに甘えながら1歩ずつ、1日ずつ歩んでいってください。同志として、応援しています。
インタビュー前編では、行った治療のこと、病院のこと、副作用との向きあい方などの体験を伺いました。
ココさんの治療体験インタビューの前編はこちらから。