がんの疑いから治療が始まるまでの期間は、精神的に大きな衝撃を…
初めてみて気がついた事
岸田── 始めてみて気がついた事はありますか?
マナミ:YouTubeを初めてと言うよりは、がんに罹患して人生は有限だと言うことに気づき、『人生後悔しない』を自分のテーマと決めたので、やりたいことはやる!行きたいところは行く!会いたい人には会う!東京に行きたかったら職場に働きかけて東京の店舗へ移動させてくれと頼んだり、大きな決断もサクサク決めれるようになりました。SNSでの情報発信はやりたいことの一つです。
Miki(サードプレイス):昔は情報発信というと発信者が一方的だったと思うけれど、SNSを通じて感じたことは発信者と受信者の距離が近くなれるな、と思いました。毎日発信していく中でがん治療している方の目線でこういうことを記事にまとめるといいかも、と考えるヒントをもらえるのでよりピンポイントで情報を発信できる事に繋がると思います。
また「役に立ったよ」という言葉を実際に言っていただけると、すごくやりがいに繋がるし嬉しいです。
また「役に立ったよ」という言葉を実際に言っていただけると、すごくやりがいに繋がるし嬉しいです。
岸田── 励みになるコメントを多くいただける中で、ネット上では中にはネガティブなコメントもあると思います。どのように対処されていますか?
マナミ:結構ひどいことを言われることも最近少ないけど最初はありましたね。覚悟を決めてやっているので、気にしない方向へ自分で処理できました。そのうち慣れます(笑)
Yuka(サードプレイス):意見をもらう場合はより良くするためのアドバイスとして捉えようと思いますが、マナミさんのおっしゃるように悪口的な一方通行のコメントは、相手もお話しする気がないと思うから、反応せず気にしない方向へもってくしかないのかな、、時間が勿体ないと思うので。
岸田:僕も実は始めた頃にまだネットの民度もそこまで高くない時代でネガティブなコメントがめちゃくちゃ怖かったんです。ニコ生の社長さんにカンファレンスで自分のやりたいことを相談した時に「社会的な意義が高い物に関しては自浄作用が働くから大丈夫だよ。指示してくれる人が擁護してくれたり、ネガティブなコメントは打ち消されるものだよ。」とアドバイスしてもらって、自分の心の気持ちが楽になったという経験がありました。
発信する上で気をつけている事や工夫について
岸田── 発信で気をつけていることはなんですか?
マナミ:自身は医療従事者ではないので、患者さんなどに直接的な医療のアドバイスはできないから、発信している内容は自分自身が体験した内容をメインにしていて、話した内容は私の場合だから、不安なことなどがあれば主治医に相談してくださいと言うようにしています。あと、私の体験談以外の発信する場合には他のサバイバーの方や先生の方とのコラボ動画などを発信しています。
Miki(サードプレイス):サードプレイスの特徴は患者さんの視点+家族の視点だったり、幅広い発信ができることだと思っています。その中で特に治療にかかわる事に関しては、闘病生活とは切っても切り離せないことなのでエビデンスを基にした医師の監修がある情報ということを徹底しています。それに加えて情報を押し付けたり偏ることがないようにお互いに記事をチェックしあっています。また、言葉尻だったり伝え方についても尖ったり後ろ向きじゃないという所を心がけています。
岸田── 発信していく上での工夫があれば教えてください。
マナミ:入院している方などにも見てもらえるように(音出さなくても理解できるように)最近の動画にはテロップを入れるようにしています。
Yuka(サードプレイス):文字の大きさは読みやすいように標準よりすこし大きめにしています。またサイトの色合いは明るい印象になるように黄色を基調とし、ボンという犬のキャラクターを登場させています。
今後について
岸田── 今後やってみたいことは何かありますか?
マナミ:いい意味で目標はないです。自分がストレスを溜めない程度でコツコツ発信を続けていければいいなと思っています。
誰かの役に立つような動画とステージ4でも元気なんだよって言うのが伝わればいいなと思います。
誰かの役に立つような動画とステージ4でも元気なんだよって言うのが伝わればいいなと思います。
Yuka(サードプレイス):今後やってみたいことは、一方的な発信だけでなく、病気についての話ができる交流の場だったり、再就職などの雇用や社会復帰についての情報発信だったり、いろいろ展開していけるといいな〜と思っています。
質問コーナー
ナレーター── 60代の女性の方からです。「今現在、夫ががんの治療中なのですがどのように看病すれば良いか。意見を聞いてみたい。」という質問です。
マナミ:家族が悲しい顔をしていたら、患者側もよりメンタルが落ちてしまうと思うので、いつも通りにドンと構えていてほしいです。
Yuka(サードプレイス):自分の経験から、言葉はいらないと思って、何も言わずに側にいたり手をつなぐだけで支えになると思います。
Miki(サードプレイス):参考になると思う記事で、こんな記事がある「自分自身も大切に、家族はどのようにがんと向き合えば良いか」 記事には“患者さん自身の気持ちや希望を理解する”だったり、“情報とうまく付き合うコツ”などの内容が書かれているので、よろしければ参考にして下さい。
ナレーター── 40代の女性の方からです。「患者を支える家族の方から、食事についていろいろな情報が耳に入って混乱しているためアドバイスがほしい。」
マナミ:私の場合は参考にならないと思うんですが(笑)一番はストレスを溜めないこと。食べたいものを食べたい時に食べるとうことを意識しています。あれを食べちゃダメとか、食べた方がいいとかを気にし過ぎてストレス溜めるくらいなら最初から気にしない!楽しくご飯食べたい!
Yuka(サードプレイス):私もストレスにならないようにあまり過剰に意識せずに食べたいものを食べるのが一番だと思います!他に何かアドバイスができるとすれば、がん研究振興財団からは、科学的根拠に基づくがんの予防として「がんを防ぐための新12か条」が提示されてたりしていて、食事についても記載されているので信頼できる情報に絞って意識してみるのもいいかもしれません。
1981年以来、がんは日本人の死因の第1位となっており、がん…
逆にサードプレイスからお二人に聞いてみたいこと
Yuka(サードプレイス)── 発信における、自意識や恥じらいとの付き合い方ってありますか?
マナミ:今でも恥じらいは全然あります(笑)スマホを片手に予行撮影したり話すことを事前に決めたりして緊張や恥じらいを和らげています。
岸田:ある日、恥ずかしいと思うのは、自分をよく見せようと思うからということに気がつきまして、カッコつけようとしないでそのままの自分でいようと思ったら、あまり恥ずかしいとか緊張はしなくなりました。
振り返ってみて
省略したりまとめた部分も多くありますが、大まかにセッション内容をまとめてみました。
このような機会を頂き、改めて、始めた時の気持ち(まだ日が浅いですが笑)やサイトの意味を再確認できるような場でした。
いつも記事を読んで下さる方や、ラベンダーリングの企画者の方々に恥じることのないよう、責任感をもって情報発信していこうと身が引き締まりました。
また、今や発信は誰でも気軽にできるので、既にがんについて発信をしている方やこれから始めようと思っている方へ、少しでも参考になれば嬉しく思います。
私たちもまだまだ駆け出しですが、今後もどんどん発信する仲間が増えて、治療中の不安を軽減できたり、がんへの社会的理解が深まることに繋がればいいな、と思います!
セッションの目的や自己紹介など、トーク前編はこちらの記事からご覧ください。
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