血液の希少がん「芽球性形質細胞様状細胞腫瘍-BPDCN」ってどんな病気?(Part.1Nozomiさんの場合)

血液の希少がん「芽球性形質細胞様状細胞腫瘍-BPDCN」ってどんな病気?(Part.1Nozomiさんの場合)

芽球性形質細胞様状細胞腫瘍(BPDCN)という希少がんをご存じでしょうか。
今回のインタビューに先立ち、このようなコメントをNozomiさんからいただきました。

「私はBPDCNというとても希少なガンと闘っています。
治療法が確立されておらず、極めて難治性であり不治の病と言われているのにもかかわらず難病指定にもならず、同じこの病気で、とても大変な生活をしている方がたくさんいます。
新薬が2018年に米国で承認されましたが日本で使うには2000万円〜億かかるそうです…」

インターネットでも情報がほとんどなく、最初は皮膚の病気と疑ってしまうような症状のBPDCNについて、現在闘病中のNozomiさんと、寛解で経過観察中の麗さんお2人の経験をお伺いさせていただきました。
インタビューを通してBPDCNがどのような病気かを知るきっかけになってもらえたらと思います。

プロフィール

 

名前

Nozomiさん(37)

病名 2014年6月あたり〜芽球性形質細胞様状細胞腫瘍(BPDCN)
ステージⅣ
状況 闘病中

顎にニキビのようなものができ、皮膚の病気かと思っていた

── まず、どのように病状に気付きましたか。
最初は顎にニキビのようなものができてそれがどんどん大きくなってきたので近所の皮膚科に行きました。
── どのようにお医者さんから宣告を受けたのかを教えていただけますか。
色々な皮膚科に行っても原因がわからなくて隣町の大きな大学病院へ行った時に「NK細胞の悪性リンパ腫だと思います」と告げられました。
──告知を受けた際の気持ちを教えていただけますか。
とにかく顎や背中の皮膚に異変があっただけだったので皮膚の病気だと思っていました。まさか悪性リンパ腫かもと言われても全くピンとこなかったです。
まさかぁ!(笑)と何かの間違いだと思うぐらい余裕がありましたね。
──宣告を受け、まず始めにやったことは何ですか。
その日は仕事の合間に病院に行ったのでそのまま泣く暇もなく仕事場へ戻りました。
でも途中でお客様の接客中泣いてしまって…結構辛かったですね。

BPDCNとはどのような病気?

──知りうる範囲で、どのような病気か・症状など教えていただけますか。
全身の皮膚にシコリができて、それは最初は痒いんだけれども触ると激痛で針でさされたような痛み。
目の中や鼻の中頭にもできます。アザのように紫色になってきます。
──日本におけるBPDCNのあり方について教えていただけますか。
日本ではまだまだ診断ができない病院が多く、BPDCNなのに違う病名として治療をしている方も多いと聞きます。そういったことがないように、また、これからこの病気になる人達の為にももっともっとBPDCNの認知度を上げていけるようなことはないかと日々考えているところです。
──逆に世界での動きなどがあれば教えていただけますか
アメリカでは2018年に新薬タグラクソフスプ(エルゾンリス)が承認されたそうですが、日本で使うとなると2000万円〜億かかると言われました。

皮膚科巡りをしていて、3つ目の病院で宣告された「NK細胞の悪性リンパ腫の疑い」

──どのように病院を選ばれましたか。
3つ目の病院でNK細胞の悪性リンパ腫の疑いを宣告され、それと同時に造血幹細胞移植をしないと治らないというお話しもされました。その際に移植のできる病院とさらに血液疾患に特化した病院として有名な虎の門病院を勧められました。たまたまその医師のお知り合いの先生が虎の門の血液内科にいらっしゃるとのことで紹介状を書いてくださりスムーズに今の病院にたどり着きました。

その病院に辿り着くまでは、「季節の変わり目でしょう」、とか「ガンとかじゃないんですか?」と私自身が質問したときに笑いながら「それは絶対ないですねー」と言う医師もいました。

──病院選びのポイントがあればお聞かせください。
異変が起きてからは自分の頭の片隅に「ガンかも」という気持ちが膨らんできたときに仕事帰りに毎日本屋に立ち寄って名医の本とか色々調べてました。
そうゆう本に書いてある先生や病院、ネットやテレビで得た情報をメモしていきました。なので虎の門病院もそのうち行こうかなと思っていたところだったので、偶然紹介されたのはラッキーでした。
──どのような医師が信頼できると思いますか。
納得するまでとことん説明してくださる先生ですかね。私は抗がん剤や造血幹細胞移植についてネットで調べるととてつもなく怖いことが書いてあるので毎日泣いて子供を学校に送りだしたらすぐ泣いて1日ずーっと泣きまくりでしたけど、虎の門病院に初めて行った時、「抗がん剤やりたくないです。移植もしたくないです」と言って机に顔を伏せて半ベソになってしまったんですけど、先生が「なにが嫌かな?髪の毛抜けること?気持ち悪くなること?」と色々聞いてくださってきちんと絵を書いたりどうして治療を勧めるか色々とお話してくださいました。今思うと凄く困っただろうな〜(笑)って思いますけどね。最初はやっぱり怖かったですね、抗がん剤治療の誇張がすごくてテレビドラマとかって、あれが普通だと思ってしまったのですごく怖かったです。
──通院頻度や治療状況についておしえていただけますか。
通院は寛解状態の時は月に1回。治療の時は週に1回です。今は通院で抗がん剤なので週1回。

BPDCNの治療について

──具体的にどのような治療をうけられましたか。
2015年から2020年までの間に造血幹細胞移植二回、化学療法、放射線です。

2015 7/21~10/13 CHOP5クール (8/3移植)
2016 6/15~8/29 ESHAP 2クール
2017 1/11~2/21 ESHAP 2クール
2017 3/31 移植
2018 8/6~10/31 EPOCH + 放射線治療22回
2019 7/24~10/17 DEVIC + 放射線治療25回
2019 12/3~12/19 GEM単剤療法→通院
2020 9/1~9/9 GEM単剤療法→通院
2020 11月〜現在治療中 CHASE療法
──どこの病院で治療を行いましたか。
虎の門病院です。
──治療の結果はいかがでしたか。(現状わかる範囲で大丈夫です。)
すべて毎回寛解してます。
──副作用としてつらかった事などありますか。
やっぱり移植の時は1番辛かったですね。
舌にやたらと炎症が起きてしまうんですけど、舌の皮がすべて剥けて縦に皮がめくれて血が出てるし口内炎もたくさんできて口は開けたまま閉じなくなってしまってバスタオルを首にまいて寝たりしてました!よだれ防止で。起きたらまず痛さで泣く毎日でした。4カ月食べられなかったです。飲み物も浸すぐらいでした。あれは本当に辛かったです。
化学療法のみの時はとにかく便秘がひどくなるので10日お通じがないとかいっぱいありました。
色んな下剤をのみました。最近は少し対処法がわかってきました。
──治療中、その副作用との向き合い方、これをすると改善できた等はありましたか。
舌の口内炎や痛みは、アーユルヴェーダというインド最古の伝統医学のひとつで何千年も前からある「白ごま油うがい」というものをやってみたところすごく効果がありました!その話を同病院の歯科の先生にお話ししたところ、後に学会でも白ごま油が効果があるという話があったそうです。

便秘は下剤よりも、果物を食べたりお茶(ゴボウ茶)を飲んだり、豆乳を飲んだり、いつもより咀嚼を心がけたり、いつもより水分をたくさん取るようにしたりしてたらだいぶ良くなりました!下剤だとすっごくお腹痛くなっちゃって何度も意識失いそうになってしまったのでやめました…

──副作用はその後どのようになり、今現在はどうでしょうか。
舌はすっかりよくなりました。また痛くなったときはやりたいと思います。
便秘は相変わらず抗がん剤中は少しありますが前ほど辛くはなってないです。
──抗がん剤を受けた場合、副作用の時に、これなら食べれた、楽になった、というものはありますか。
炭酸飲料は必須でした!今も治療中なので飲んでますが、ちょっと胸焼けがあったり食欲なかったりしても炭酸飲むとスッキリするというか、入院中も炭酸飲まれてる方が圧倒的に多かったです。あとはアイスとか、うどんとか麺類はご飯より食べやすかったですね。麺類もキツい時はお粥にしてました。

体調管理について

──体調管理で何かやっていたることはありますか。
なるべく身体にいいものを食べるように、身体に悪いものを避けるようにはしてます。砂糖も甜菜糖やきび糖を買うようにしましたし、手作りを心がけています。あとは早く寝るようにしてます。
──自分の体調や薬の記録をつけていましたか。つけていた場合、どのように記録していますか。
体調は日記をつけています。入院中の辛かったことや嬉しかったこと、お見舞いにきてもらったことなど書いてました。
──現在も体調に関して気を遣っていることや継続している習慣があれば教えてください。
お惣菜とかビュッフェとか作ってから時間がたっているものは食べない。手洗いうがい衛生面はとても気をつけています。潔癖ぐらいでちょうどいいと主治医にある時言われて、その日からその言葉を胸に潔癖になりました(笑)

家族への報告

──家族にはどのように、がんについて話されましたか。
先生に言われた話はそのままいつもお話ししてますが、難しいみたいでなかなか覚えられないことも多々あるようです。
──その際にどのような反応がありましたか。
あまりリアクションがない両親なので(笑)とくに記憶に残るような反応はなかったんですが、なんと声かけたらいいかわからなかったのもあると思います今考えると。
変わってあげたいとはよく言われますね。
──気持ちの変化や関係性の変化がありましたか。
だいぶ変わりましたねぇ…これは家族に限らず私と関わるすべての人と変化がありました。やっぱり病気の人と健康な人とだいぶ住む世界が違くなったというか、壁もできましたし「どうしてわかってくれないの…」っていう事もしょっちゅうありますね。でもそれって仕方ないのかなと最近は敏感にならないようにしてます。傷つくことがたくさん増えました。見た目は元気にみえるので、そうゆう面だと辛いですね体の中の病気って。

お金について

──実費での治療費はいくら位かかりましたか。
えー…いくらだろう(笑)高額医療でだいぶ助けられてます。
──治療費以外にお金のかかったことなどはありましたか。
PET-ctは全額負担だったり、あとはウィッグは半年に1回か、4カ月に1回ぐらい買うのにお金かかります。全身にシコリがでると服選びも大変でシコリが見えないような服を買い足したりしました。
──現在どのような生活・(仕事をしている場合)働き方をしているか教えてください。
自分の好きな日と好きな時間帯にお客様のおうちにお伺いしたり家にきてもらうこともあります。
でも毎年再発してしまうのでお勤めするのはなかなかできず(迷惑かけてしまうと思うので)、十分な稼ぎは得られなく、また障害年金も2回申請しましたがダメで、病気になる前に貯めていた貯金を崩して生活しています。あとは実家に戻ったので家賃や光熱費などは助かってます。

つらかったこと・克服

─がんになって肉体的に辛かったことはありますか。ある場合、どのように乗り越えたか、教えてください。
あります。ひたすら時間が経つのを待つのみでしたね。床に座った状態から立ち上がる時は未だに大変です。
─がんになって精神的に辛かったことはありますか。
それは今もたまにあります。友人や家族、私と関わるすべての人が私の病気に関心があるわけではないということ、説明しても理解してもらえないこと、本当のことを言っているのにサボっているかのように疑われたこともありました。
例えば子供の学校のPTA行事など、病気でできないと説明しても本当なのか、どこまでの病気なのか教えてほしいと自宅に訪ねてくる人もいましたから…それは辛かったですね。抗がん剤やれば治るんでしょ?って言われたり痩せていいなーとか(笑) 結構身近にいた人の意外な一面、意外な性格が浮き彫りになってくるので溝が出てきたり、見切りをつけて付き合いをやめた人もいます。いい機会でもありました。
─どのように乗り越えたか、教えてください。
やっぱり子供の事を考えて日々生活をしていく上で自然と乗り越えられたのかなと思います。
強いね、とよく言われるのですが、絶対に誰でも守るものが必ずあって守るものの為に頑張れるパワーって備わっているものだと思っているので特別強いわけじゃなく、子供の成長をこれからも見たい!一緒に生き続けたい!っていうシンプルな気持ちが乗り越えられる活力になっているんじゃないかな?と思います。
あとはsnsや病院で知り合ったガンのお友達と励まし合ったりするのもかなり気持ちの支えや勇気に繋がっていると思います。

闘病中のライフスタイルについて

─闘病中(入院中)に何をするのがリフレッシュでしたか。
携帯ゲーム!これはずっとできちゃうので助かりました。ゲームやり放題(笑)あとは折り紙にハマって鬼滅の刃のキャラクターをひたすら折ったりしてました!

─すごい!可愛いですね!趣味はありますか。
結構多趣味で、なんでも興味あるのでまだやったことないものとかやりたいです。今は折り紙にハマっていますが、入院に合わせていつも入院中の暇つぶしにできそうなものをはじめるんですが、羊毛をやったりビーズのブレスレット作り、ピアス作り、ネイルチップ作り、ゲーム、読書、映画鑑賞、とかですかね。
私生活ではドライブとか旅行とか好きですけど、旅行は何年か前の家族での伊豆旅行が最後ですね。

─何か始めようと思っていること(はじめたこと)はありますか。
海外旅行はまだしたことがないのでしてみたいです。
釣りやマクラメ編みもはじめたいと思っていて、マクラメ編みは最近始めました。今コースターを作ったりしています。
あとは、LINEスタンプを作っています😊病院に通っている人が使えるスタンプ。
私が言葉やキャラクターの雰囲気を考えて、絵の上手なお友達にお願いして共同で作っているところです。とても可愛いキャラクターができて大満足です!
─こちら、完成したスタンプです。虎の丸とってもかわいいです!
 

*画像をクリックして、ダウンロードページに遷移できます。
─どんな時にポジティブな気分になりますか。
都内へ出かけたりショッピングしたり、普通に色々美味しいものが食べられるようになったり、息子の学校行事へ行けるようになったり、そうゆう懐かしい病気になる前の自分を取り戻してきたときはとてもポジティブな気分で前向きになれるし、明るい未来を想像できてキラキラします!あとは単純に褒められたりすると嬉しいですよ(笑)ご飯頑張って作ったときとか完食してもらっただけでも嬉しいです!

今後、BPDCNへの理解を深めていくために

─同病の方とのコミュニティをつくり、BPDCNへの理解を広めていきたいとお伺いしました。
BPDCNは、疾患している人数が少ないということもあり、このままでは、この病気の存在を多くの方に知ってもらえないのでは…という不安があります。
そのために現在、SNSで繋がった方々と、希少がん患者ネットワークへの登録を検討したりと動き出しているところです。
アメリカの新薬を日本で使えるように、わたしたち患者にできることがあるか」や「希少がん患者がどんな活動をできるか」を探っています。
また、メディアでBPDCNのことを取り上げてもらう機会を作るなど、出来ることをしたいと思っています。

Nozomiさん、ありがとうございました。
記事②では、同疾患BPDCNを闘病され、現在経過観察中の麗さんにお話をお伺いしています。
 

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