ストレスを感じているとき、人間の脳は緊張感を高め、体をこわばらせることで問題に対処する準備をしています。
筋弛緩法とは、これを逆に利用して、まず先に体の緊張をほぐすことで、心の緊張もほぐすという、アメリカの神経生理学者エドモンド・ジェイコブソン博士が1930年代に考案したリラクゼーション法です。
体の部位に力を集中させ、脱力するという簡単な方法なのも魅力的です。
筋弛緩法で期待できる効果
筋肉の緊張をほぐすリラクゼーション法なので、以下のような効果が期待できます。
・身体の疲れをとる
・手足の体温を上げる
・呼吸を深くする
・眠りやすくする
・手足の体温を上げる
・呼吸を深くする
・眠りやすくする
一般的に人は眠るとき、体内の内部の温度が下がります。それは、脳の回復と修復のために身体が省エネモードになり就寝時間が近づくにつれて全身をクールダウンする準備に入るためです。
そのため、睡眠の前に筋弛緩法により各部位(快眠のためには特に手(腕)、足、顔)をリラックスさせ、やや体温をあげることで、眠るときに効率よく体温を下げることができ、スムーズに眠ることができるそうです。
筋弛緩法のやり方
横になった状態でも、座った状態でも、立った状態でも行えます。
①軽く右手でこぶしを作り、強くにぎりしめる
②強く握りしめたまま、こぶしに意識を向け、筋肉が緊張してこわばっている感じを味わう(3~4呼吸)
③その感じを十分に味わえたら、力をゆるめる
④緊張がほどけていく感覚に注意を向け、筋肉が弛緩している(ゆるんでいる)状態をしばらく味わう
⑤左手も同じように行う
⑥体の各部分についてそれぞれ2、3回ずつ行っていく。
例)こぶし→肩→首筋→背中→顔(目、口)→お腹→ふくらはぎ→足の甲
②強く握りしめたまま、こぶしに意識を向け、筋肉が緊張してこわばっている感じを味わう(3~4呼吸)
③その感じを十分に味わえたら、力をゆるめる
④緊張がほどけていく感覚に注意を向け、筋肉が弛緩している(ゆるんでいる)状態をしばらく味わう
⑤左手も同じように行う
⑥体の各部分についてそれぞれ2、3回ずつ行っていく。
例)こぶし→肩→首筋→背中→顔(目、口)→お腹→ふくらはぎ→足の甲
各部位の力の入れ方
肩:
両肩をグッと上げ、耳まで近づけて力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)
首:
右側に首をひねって力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)左側も同様に
背中:
曲げた上腕を外に広げ、肩甲骨を引きつける(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)
顔:
目と口をギュッとつぶり、奥歯を噛みしめて顔全体を顔の中心に集めるように力を入れる(10秒間緊張)→ポカンと口を開けて脱力(15~20秒間)
お腹:
お腹に手を当て、お腹をへこませる。そのまま、その手を押し返すように力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)
足の下側:
両足を伸ばし、足の下側(ふくらはぎ)の筋肉に力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)
両肩をグッと上げ、耳まで近づけて力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)
首:
右側に首をひねって力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)左側も同様に
背中:
曲げた上腕を外に広げ、肩甲骨を引きつける(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)
顔:
目と口をギュッとつぶり、奥歯を噛みしめて顔全体を顔の中心に集めるように力を入れる(10秒間緊張)→ポカンと口を開けて脱力(15~20秒間)
お腹:
お腹に手を当て、お腹をへこませる。そのまま、その手を押し返すように力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)
足の下側:
両足を伸ばし、足の下側(ふくらはぎ)の筋肉に力を入れる(10秒間緊張)→脱力(15~20秒間)
どんな姿勢でもでき、取り入れやすいリラクゼーション法ですので、簡単な部位から試してみるのも良さそうです。😊
ベクトル画像 著作者:House vector created by pch.vector – www.freepik.com
参考文献 : 国立がんセンターのこころと苦痛の本 - 監修 清水研 / 里見絵理子 / 若尾文彦
参考URL:心の緊張を取る! 力を抜くだけのリラックス法「筋弛緩法」とは?
筋弛緩法でリラックス!イラストでわかるやり方3ステップ