リハビリを受けられる医療機関と、リハビリテーション科の対象者とは?

リハビリを受けられる医療機関と、リハビリテーション科の対象者とは?

治療前後のリハビリでQOLを高める

がんの痛みやだるさ、手術や抗がん剤により食欲低下などで体力が衰えてしまうことがありますが、その後のQOLを高め、自分の望む生活を続けるためにもリハビリは大切だと考えられています。
また、手術や抗がん剤、放射線治療の前に、合併症や後遺症を予防する目的で行うリハビリもあります。

リハビリについては、こちらの記事でも記載しています。
 

「合併症予防」「副作用緩和」に。がん治療中のリハビリの重要性

がん治療中の筋力・体力の維持のため、近年のがん治療では、リハ…

リハビリを受けられる医療機関

がんのリハビリでは、担当医や看護師のほか、リハビリ医、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリスタッフとの連携が重要です。
このようなリハビリの体制の整った医療機関は限られていますが、2010年の診療報酬改定にて、既定の要件を満たす医療機関には「がん患者リハビリテーション科」という診療報酬が加算されることになりました。

がん患者リハビリテーション科を算定している病院の情報については、がん相談支援センターで調べることができます

全国のがん相談支援センター

各がんにおけるリハビリテーション科の対象患者

1)食道がん、肺がん、縦隔腫瘍、胃がん、肝臓がん、胆嚢がん、膵臓がんまたは大腸がんと診断され、当該入院中に閉鎖循環式全身麻酔により、がん治療のための手術が行われる予定の患者、または手術が行われた患者
2)舌がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がんその他頸部リンパ節郭清を必要とするがんにより入院し、当該入院中に、放射線治療もしくは閉鎖循環式全身麻酔による手術が行われる予定の患者、または行われた患者
3)乳がんにより入院し、当該入院中にリンパ節郭清をともなう乳房切除術が行われる予定の患者、または行われた患者で、術後に肩関節の運動障害等を起こす可能性がある患者
4)骨軟部腫瘍またはがんの骨転移に対して、当該入院中に患肢温存術もしくは切断術、創外固定もしくはピン固定等の固定術、化学療法または放射線治療が行われる予定の患者、または行われた患者
5)原発性脳腫瘍または転移性脳腫瘍の患者であって、当該入院中に手術もしくは放射線治療が行われる予定の患者、または行われた患者
6)血液腫瘍により、当該入院中に化学療法もしくは造血幹細胞移植が行われる予定の患者または行われた患者
7)当該入院中に骨髄抑制を来しうる化学療法が行われる予定の患者、または行われた患者
8)在宅において緩和ケア主体で治療を行っている進行がんまたは末期がんの患者であって、症状増悪のため一時的に入院加療を行っており、在宅復帰を目的としたリハビリテーションが必要な患者


参考文献:国立がん研究センターのがんとお金の本 (国立がん研究センターのがんの本) – 監修 片井均 国立がん研究センター中央病院 胃外科長 / 大江裕一郎 国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科長 ほか

今後も、がんにまつわる役立つ情報を
サードプレイスから受け取ってみませんか?