痛みや苦痛を我慢しない、ここ20年で変化した緩和ケア

痛みや苦痛を我慢しない、ここ20年で変化した緩和ケア

緩和ケアときくと、なんとなく最期までの時を負担の少ない様に過ごす、というような、治らない病のケアというイメージを持たれている方がいます。

でも実は、それはすごく昔の話なんです。確かに、WHO(世界保健機関)は1990年の時点では「がん治療が効かなくなった患者に対する全般的な治療」と定義していました。

2002年にWHOにより定義された「緩和ケア」

2002年にWHOは緩和ケアを以下の様に定義しています。

生命を脅かすがんなどの病に関連する問題に直面している患者とその家族の痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に対応・治療することで、苦痛を予防し和らげることで、QOLを向上させるアプローチである。

ここで注目すべき点は太字にした、早期に見出すという箇所です。

緩和ケア、なぜ必要か

ガンの早期からの緩和ケアがなぜ大切か、それは適正な緩和ケアを受けることで、がんが再発・転移した時も苦痛を少なくし長生きできるようにするためです。

世界のがん医療をリードしている、米国臨床腫瘍学会(ASCO)も1998年にこちらの声明を出しています。

がん治療医は、単にがんだけを見た抗腫瘍治療に囚われるのではなく、がんに罹患した患者に対しては早期から最期まで継続した緩和医療・ケアを行うべきである

こちらは多くの患者さんが苦痛を我慢せずに伝えられるために、頭の中に入れておきたい事です。

日本は緩和ケア後進国

日本でも「がん対策基本法」でがん治療における早期からの緩和ケアの介入とがん治療に関わる全ての医者が緩和ケアの概念を理解し、緩和ケア研究会を受講して一定レベルの緩和ケア診断技術を習得することが義務付けられています。

しかし、日本は緩和ケア後進国であり、痛みの緩和の治療に対しても遅れています。その結果、先進国の中で最も医療用麻薬の使用量が少ない国になっています。
医療用麻薬であるモルヒネなどに対しても「中毒になる」「廃人になってしまう」などの誤解があります。

がん医療の柱の一つになった緩和ケアのゴールは、「がんと診断されたときから、心と体の苦痛を取り除きQOLを高めること」にあります。

まずは、がんに伴う身体や心の苦しさを我慢して日々過ごさない事を意識して、なるべく早い段階から痛みを記録し上手に周りに伝えていくことが大切です。


 

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参考URL:https://www.jspm.ne.jp/proposal/proposal.html – 緒言・提言|日本緩和医療学会 – Japanese Society for Palliative Medicine
参考文献:がんになっても心配ありません- 公益財団法人 がん研究会 (監修)

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