乳がんについては、次々と新しい治療法や薬が研究・開発されてお…
ここが知りたい!重粒子線・陽子線治療に関するQ&A
以前に放射線治療を受けていると治療はうけられないの?
合併症の危険性が高くなるので難しい場合が多くなりますが、以前に放射線治療を受けた病巣と、治療を受けたい病巣が異なる場合は受けることができる可能性があります。
治療が適しているか相談したい場合はどうすれば良いの?
治療が適しているかどうかは、専門医による詳細な検討が必要になります。まずは、がんと診断した病院の医師に相談してみましょう。その後、セカンドオピニオンや電話相談を受け付けている施設に相談しましょう。セカンドオピニオンを受ける際は紹介状が必要になります。また、電話相談の場合、紹介状は必要ありませんが、病気の詳細を説明する必要があるので担当医より必要資料をもらいましょう。
治療を受けるための紹介状はどこで書いてもらえば良いの?
治療をうけるためには、これまでの検査結果や治療経過などについて記載した紹介状(診療情報提供書)を重粒子線または陽子線を実施している施設へ提出する必要があります。こちらの紹介状はがんと診断した主治医にもらいます。
治療にはどれくらいの日数がかかるの?
病巣をピンポイントで照射するための準備期間に1〜数ヶ月の準備期間が必要です。治療日数は病状により異なり、概ね1〜8週間程度です。
入院は必要?
施設によって異なり、原則入院して治療を行うところと、通院で治療できるところがあります。また、合併している病気の治療をする必要がある場合は近隣の病院へ入院しそこから施設へ通うこともあります。
1回の治療時間はどれくらい?
重粒子線・陽子線の治療は照射時間は数分程度ですが、位置を正確に合わせる必要があるため、一回の治療時間は30分程度です。
治療に痛みはありますか?
治療中に痛みを感じることはありません。
放射線の治療では副作用があると聞きますが、重粒子線・陽子線治療も同じですか?
X線を使用した治療に比べて正常細胞へのダメージは少ないですが、合併症や副作用が全く無いわけではありません。
照射早期に現れる合併症としては照射部位の皮膚が赤くなったり、口腔に照射した場合は口内炎になったりします。治療後半年以降に現れるものとしては、消化管に照射した場合は潰瘍や穿孔が認められたり、前立腺に照射した場合には直腸出血が起きたるすることがあります。そのほか照射部位によって様々な副作用が起こる可能性があるため治療前には医師から十分に説明を受けましょう。
照射早期に現れる合併症としては照射部位の皮膚が赤くなったり、口腔に照射した場合は口内炎になったりします。治療後半年以降に現れるものとしては、消化管に照射した場合は潰瘍や穿孔が認められたり、前立腺に照射した場合には直腸出血が起きたるすることがあります。そのほか照射部位によって様々な副作用が起こる可能性があるため治療前には医師から十分に説明を受けましょう。
それぞれの施設に違いはありますか?
重粒子線・陽子線を実施している施設によって、治療できるがんの種類に違いがあります。どのがんを治療対象にしているかは各施設のサイトへ公開されています。また、施設によっては、手術や化学療法と組み合わせた治療などについて臨床試験している場合があります。
全国の粒子線治療施設
重粒子線治療施設一覧
都道府県 | 施設名称 |
---|---|
群馬県 | 群馬大学医学部附属病院 重粒子線医学研究センター https://heavy-ion.showa.gunma-u.ac.jp/ |
千葉県 | 量子科学技術研究開発機構QST病院(旧放医研病院) https://www.nirs.qst.go.jp/hospital/ |
神奈川県 | 神奈川県立がんセンター 重粒子線治療施設 http://kcch.kanagawa-pho.jp/i-rock/index.html |
大阪府 | 大阪重粒子線センター https://www.osaka-himak.or.jp/ |
兵庫県 | 兵庫県立粒子線医療センター https://www.hibmc.shingu.hyogo.jp/ |
陽子線治療施設
都道府県 | 施設名称 |
---|---|
北海道 | 北海道大学病院陽子線治療センター http://www.huhp.hokudai.ac.jp/proton/ |
北海道 | 札幌禎心会病院陽子線治療センター http://www.teishinkai.jp/thp/yousisen/ |
北海道 | 北海道大野記念病院 札幌高機能放射線治療センター https://kojinkai-safra.jp/ |
福島県 | 南東北がん陽子線治療センター http://www.cancer-center.jp/ |
茨城県 | 筑波大学附属病院 陽子線医学利用研究センター https://www.antm.or.jp/05_treatment/0404.html |
千葉県 | 国立がん研究センター東病院 http://www.ncc.go.jp/jp/ncce/ |
長野県 | 相澤病院 陽子線治療センター http://w3.ai-hosp.or.jp/ptc/ |
静岡県 | 静岡県立静岡がんセンター https://www.scchr.jp/index.html |
愛知県 | 社会医療法人明陽会 成田記念陽子線センター http://www.meiyokai.or.jp/proton/ |
愛知県 | 名古屋陽子線治療センター http://www.nptc.city.nagoya.jp/ |
京都府 | 京都府立医科大学 永守記念最先端がん治療研究センター https://www.h.kpu-m.ac.jp/doc/departments/proton-beam-therapy/index.html |
大阪府 | 大阪陽子線クリニック https://www.hakuho.or.jp/opc/ |
奈良県 | 高清会陽子線治療センター |
福井県 | 福井県立病院 陽子線がん治療センター http://fph.pref.fukui.lg.jp/yosisen/ |
兵庫県 | 兵庫県立粒子線医療センター https://www.hibmc.shingu.hyogo.jp/ |
兵庫県 | 兵庫県立粒子線医療センター付属神戸陽子線センター https://www.kobe-pc.jp/ |
岡山県 | 岡山大学・津山中央病院共同運用 がん陽子線治療センター http://top.tch.or.jp/ |
鹿児島県 | メディポリス国際陽子線治療センター http://www.medipolis-ptrc.org/ |
ベクトル画像 著作者:Kubanek – jp.freepik.com
参考URL:日本の粒子線治療施設の紹介 – 粒子線治療
参考文献:Background vector created by freepik – www.freepik.com
参考文献:重粒子線治療・陽子線治療完全ガイドブック – 研友企画出版出版企画部(編著)編集協力 辻/比呂志 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構臨床研究クラスタ重粒子線治療研究部部長、櫻井/英幸 筑波大学医学医療系放射線腫瘍学教授、筑波大学附属病院副病院長、陽子線治療センター部長