「膵臓がん」の病期(ステージ)分類と切除可能性分類について

「膵臓がん」の病期(ステージ)分類と切除可能性分類について

膵がんの病期(ステージ)分類

膵がんの進行度は、他のがんと同じように「T(腫瘍)」「N(リンパ節転移)」「M(遠隔転移)」という3つの因子によって決められた病期で表され、0期、ⅠA期、ⅠB期、ⅡA期、ⅡB期、Ⅲ期、Ⅳ期に分類されます。
 

膵がんの病期は、造影CT検査、造影MRI検査、EUS(超音波内視鏡)、PETなどの画像検査などにより評価されますが、手術後の病理検査によって病期が変わることも珍しくありません
そのため、最初に告げられた病期だけで治療方針や予後が決まるわけではないという事を理解しておく必要があります。

初めに切除可能かどうかを判断

膵がんの治療法を検討するときは、切除可能であるかどうかが重要です。そこで近年、病期とは別に「切除可能性分類」という分類基準が用いられています。

切除可能分類では、造影CTや造影MRI、EUSによって膵がんの広がり具合や進行具合を調べます。そのうえで、肉眼的(目で見る)、組織学的(顕微鏡で調べる)において、全てのがんを取りきる事ができるかどうかを「切除可能」「切除可能境界(ボーダーライン)」「切除不能」という3つに分類します。

●切除可能性分類

①切除可能

がんが膵臓内や膵臓のごく近くに留まっている状態。

②切除可能境界

門脈や動脈系への経度な浸潤があるものの、遠隔転移がない状態。

③切除不能

「遠隔転移」や「門脈や動脈系への浸潤などの局所進行」があるもの。

②の切除可能境界のがんは、手術で取りきったように見えても再発する恐れがあります。
そのため、化学療法や放射線療法と組み合わせるなど、個別の治療が必要です。

術後補助化学療法を行うことで再発を防ぎ、結果として生存率が向上することが、臨床試験により明らかになっています。
膵がんでは手術後の一定期間に化学療法を行う術後補助化学療法が推奨されています。

 

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参考文献:国立がん研究センターの肝・胆・膵がんの本 (国立がん研究センターのがんの本) – 監修 国立がん研究センター中央病院副院長、肝胆膵外科科長 島田和明 / 国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科科長 奥坂拓志 / 国立がん研究センター東病院肝胆膵内科科長 池田公史

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