「膵臓がん」で行う検査と診断の流れについて

「膵臓がん」で行う検査と診断の流れについて

家族歴や合併疾患から検査を検討

膵がんは特有の症状がほとんどなく、症状から早期発見することが難しいがんです。
膵がんと診断された段階でも15%の人が無症状で、2cm以下の小さな膵がんができていても18%の人が無症状です。

膵がんの家族がいる(家族性膵がん*)、遺伝性膵炎*といった家族歴のある人、糖尿病や慢性膵炎などの合併疾患がある人、大量飲酒や喫煙などの嗜好のある人は、膵がんの高リスク群だとされています。
そのような人に腹痛や黄疸、腰背部痛、体重減少、嗜好の変化などがみられるときには、検査をすることが推奨されています。
また、糖尿病を発症したときには膵がんの可能性が考えられます。

*家族性膵がん
親子または兄弟姉妹に2人以上の膵がん患者がいる家系で発症する膵がんのこと。
家族性膵がんの家系での膵がん発症のリスクは、一般人口に比べて6.4倍高い


*遺伝性膵炎
膵臓から分泌される消化酵素の活性化にかかわる遺伝子異常があり、慢性膵炎が家族内に多発する指定難病のひとつ。
欧米では、血縁者の中に3人以上の膵炎患者がいるほか、大量飲酒などの慢性膵炎の原因がなく、若年での発症、2世代以上で患者が発症している場合を遺伝性膵炎と定義づけている。

膵がん疑いで行う精密検査

高リスク群であることや何らかの症状がある場合、第1段階として行うのが血液検査腹部超音波検査です。
膵がんの血液検査では、腫瘍マーカー*や血液中の膵酵素(血清アミラーゼ)を調べますが、膵がんであってもこれからの検査結果が異常値でないことがあります。

膵がんの精密検査としては、造影CT造影MRIMRCP(磁気共鳴胆管膵管造影)、EUS(超音波内視鏡)など画像検査を行います。
これらの検査で確定診断に至らなかった場合は、さらにERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)、PETなどを行い、総合的に診断します。
画像検査でも診断が確定できない場合、EUSなどの画像検査で観察しながら針を刺して組織や細胞を採取して調べる細胞診や組織診を行います。こうして採取した細胞や組織は病理検査を行い、顕微鏡で直接調べます。

*腫瘍マーカー(膵がん)
体内にがんがあると血液内の特定の物質が異常高値を示す。
膵がんの腫瘍マーカーとしては、CA19-9、Span-1、Dupan-2、CEAなどがある。

検査から診断までの流れ

検査から診断までの流れ

*1つ以上実施
EUSよりも造影CT、造影MRI(MRCP)が望ましい。EUSは熟練した施設で行うことが望ましい。
*組織診
可能な限り病理診断を行う。

[出典]日本膵臓学会 膵癌診療ガイドライン改訂委員会編,『膵癌診療ガイドライン2016年版』金原出版,2017年 をもとに一部改変

 

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参考文献: 国立がんセンターの肝・胆・膵がんの本 - 監修 島田和明 / 奥坂拓志 / 池田公史

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