「胆道がん」で行う検査と診断の流れについて

「胆道がん」で行う検査と診断の流れについて

ファーストステップ、セカンドステップの検査

黄疸のほか、溝落ちや右わき腹の腹痛があるなど、胆道がんが疑われる症状*がみられる場合、ファーストステップとして血液検査超音波検査を行います。
血液検査では、肝機能の働きを示す酵素(ALS、ALT)の数値や、腫瘍マーカー*を調べます。
腹部超音波検査は、肝外胆管がんでは約90%胆のうがんでは約50%以上の感度でがんをみつけることが出来ます。
ファーストステップでがんや胆道閉塞*などを見つけた場合は、セカンドステップとして、CTやMRIといった画像検査を行い、がんの有無や広がり具合を確認します。

*胆道がんが疑われる症状
胆道がんでもっともよくみられる症状は黄疸。
また、みぞおちや右わき腹での腹痛も多くみられる。腰背部痛、全身倦怠感、食欲不振、体重減少などが長期にわたって続くときは、胆道がんの疑いがある。


*腫瘍マーカー(胆道がん)
体内にがんがあると血液内の特定の物質が異常高値を示す。
胆道がんの腫瘍マーカーとしては、CA19-9、CEAなどがある。ただし、これらの腫瘍マーカーは胆道がん以外のがんでも異常値を示すことがあり、胆道がんにおいては補助的な検査と位置付けられている。


*胆道閉塞
胆汁を流す胆管が狭くなって詰まってしまうと、十二指腸に流れなくなった胆汁が胆管の中にとどまり、さらに血管に流れ出すことで黄疸を引き起こす。

がんの発生部位ごとに行う追加検査

セカンドステップまでの検査でがんの疑いのある部位を特定できたら、部位ごとに精密検査を行います。
胆管がん、胆のうがん、十二指腸乳頭部がんで手術を行う場合には、直接胆道造影とEUS(超音波内視鏡)を行い、胆管がんではこのほかにPTCS(経皮経肝的胆道内視鏡)やPOCS(経口胆道鏡)などの内視鏡検査を行います(進行がんではこれらの検査を行わないこともあります)。
また、必要に応じて、細胞診や組診などの病理検査、PETなどを行います。

検査から診断までの流れ

検査から診断までの流れ


[出典]日本肝胆膵外科学会 胆道癌診療ガイドライン作成委員会編,『エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン 改訂第2版』医学図書出版, 2015年をもとに一部改変

 
 
胆道がんに関する治療法の選択・病期分類についてはこちらの記事に記載しています。

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参考文献:国立がん研究センターの肝・胆・膵がんの本 (国立がん研究センターのがんの本) – 監修 国立がん研究センター中央病院副院長、肝胆膵外科科長 島田和明 / 国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科科長 奥坂拓志 / 国立がん研究センター東病院肝胆膵内科科長 池田公史

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