抗がん剤治療を受ける際に体力があるかという事は重要になってく…
がんや治療の影響で、しびれや、痺れに似た違和感を生じることがあります。それらは「神経障害性疼痛」の1つで、感じ方は人により様々です。
しびれの原因
しびれの原因には「がん自体によるもの」「がんが血管に浸潤したことによるもの」「抗がん剤の副作用によるもの」等があります。
いずれも、末梢神経が、がんや薬の成分によって圧迫されたり、傷ついたりすると起こります。
こうした末梢神経障害では、手や足がピリピリ、ジンジンしたり、感覚が鈍くなる(感覚鈍麻)といった感覚異常を招きます。また、血管にがんが浸潤した場合は、血管の収縮や弛緩、周囲のリンパ管の炎症が起こり、焼けるような痛みやしびれが広がることがあります。
脊髄(中枢神経)の障害も、しびれ等の感覚異常を招きます。脊髄に圧迫や損傷があると、そこからのびる神経が支配する領域の感覚がにぶくなり、しびれなどを伴い、ひどいしびれを伴う痛みを生じることもあります。
しびれの症状の伝え方
しびれや、しびれに似た痛みなどの違和感は、検査結果や外見でわかるものではありません。まずは感じ方を医師や周囲の人に伝える必要があります。
伝え方の例
できるだけ具体的に、”自分の感じ方”を言葉で表現してみましょう。
「正座をしたあとのジンジン、ピリピリするような感じ」
「虫がはうような、むずむずした感じ」
「足の裏に剣山があたっているような感じ」
「小石の上を歩いている感じ」
「ヒヤッとする感じ」
・症状を感じている部位(手足なら左右のどちらか、先のほうか付け根のほうか、どのくらいの範囲か)
・どこからどのように始まったのか
・どんなことに不自由を感じているのか
しびれによって生じる不自由さの例
・ボタンをかけづらい
・文字が書きづらい
・スマートフォンが使いにくい
・靴が上手くはけない
・転びやすい
・冷たいものに過敏になる
・手足の先が冷たい
しびれの対処法
しびれが生じたときの対処法としては、「血行の改善」、「よい姿勢を保つ」、「体の保護*」、「オピオイド鎮痛薬による薬物療法」などが挙げられます。まず担当医に症状を伝え、対処法を相談しましょう。
*=しびれがあるときは、温度感、痛覚、触覚などの感覚がにぶくなっているので、やけどや凍傷、切り傷などに注意。
生活の中での対処法
- 温度を感じる感覚が鈍くなり、熱い物に触れる時は注意する。
- しびれにより運動神経や感覚神経が鈍くなり、転びやすくなる事があります。脱げにくい履物(かかとのある靴など)や滑り止めの付いている履物を使用し、床に物を置かないよう気を付ける。
- 衣服や靴下はきつすぎずゆとりのある物が良い。
- 衣服のボタンをファスナーに変えると着替えが楽になることもある。
血行改善の方法
- ぬるめのお湯での入浴
- ウォーキング
- 痛みがない場合であればマッサージ
- 寒い季節には、手袋や厚手の靴下で手足の保温を心がけ、できるだけ肌を露出しないようにする
抗がん剤の副作用によるしびれは、積極的に動かす事が大切ですが、決して無理のない範囲で行いましょう。
手足の指先を動かす、筋肉を曲げ伸ばすなどが効果的です。
食事では、ビタミンCやビタミンEを積極的にとり、バランスのよい栄養を心がけると良いでしょう。
痛みは採血などの検査で数値として出るわけではありません。 そ…
参考URL:抗がん剤治療と末梢神経障害 – 静岡県立 静岡がんセンター
しびれQ&A – 国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ
参考文献:国立がん研究センターのこころと苦痛の本~こころと体のつらさを和らげるためにできること~ – 清水 研 国立がん研究センター中央病院 精神腫瘍科長、里見 絵理子 国立がん研究センター中央病院 緩和医療科長、若尾 文彦 国立がん研究センター中央病院 がん対策情報センター長(監修)