だるさ・倦怠感の原因と伝え方、日常で改善できるケアについて

だるさ・倦怠感の原因と伝え方、日常で改善できるケアについて

だるさは、人からわかりづらく軽く見られがちな症状ですが、続くと日常生活にさしつかえが出て精神的にも苦痛になります。

だるさの原因とパターン

がんの療養中に、慢性的なだるさ(倦怠感)、疲労感を体験することがあります。その原因は以下のようなものが挙げられ、様々です。

  • 治療によるもの
  • 脱水
  • 呼吸障害や貧血
  • 不眠
  • 進行したがんによる栄養不良症候群など*

*がんが進行した場合は、激しいだるさに見舞われることが多い。これは慢性炎症による栄養不良症候群で、栄養をとっても激しく消費され、筋肉量が落ちて体重がへり、疲労感を招きます。その、がん悪液質と呼ばれる状態には、対処法として、軽い運動、栄養指導、薬物療法(非ステロイド系消炎鎮痛薬、ステロイド薬)などがある。

周囲にきちんと理解してもらうには、だるさの感じや程度、その変化などを書き留めておけると良いでしょう。

【だるさを伝える表現例】

  • 脱力感がある
  • 家事や仕事がしんどい
  • 階段の上り下りで息切れがする
  • 消耗感をおぼえる
  • 集中力や判断力が落ちている
  • やる気がでない
  • よく眠れない、ぐっすり眠ったのに疲れがとれない
  • すぐ横になりたくなる
  • 何をするにも億劫だ

ほかの症状が落ち着いているときでも、だるさを抱えながら家事や仕事を行うのは、エネルギーを消耗するものです。
日常の症状を記録していくと、だるさのパターンどんなときに悪化するのかを自分で把握することもできます。それをもとに担当医や緩和ケア医に相談すれば、原因に合わせた対処がしやすくなります。

疲労回復とエネルギーの温存を

日中の休息は、少しづつ何回にも分けて取った方が疲れません。そして夜はぐっすり休むのが良いでしょう。
不眠がある場合はその解消が優先です。

リラクゼーションなどを用いた不眠の解消法

  • 呼吸法
  • アロマセラピー
  • 入浴、足浴
  • 適度な運動
  • ヒーリングミュージック

痛みによる不眠がある場合

➡️痛みの緩和治療が必要。

薬剤による不眠の場合

➡️原因となっている薬剤の変更・中止が検討されます。

*いずれの場合も担当医や緩和ケア医に相談するのが良いでしょう。

体力の低下を防ぐために、栄養で心がける事

  • 食べられるときに少しづつ食べる
  • 栄養補助食品を活用する
  • 水分を十分にとって疲労物質を体外に排出する

日常生活で心がける事

  • 楽な体勢を心がける
  • マッサージや入浴で血行を良くする
  • 可能であれば、散歩や趣味の活動で気分転換をはかる
  • ウォーキング程度の有酸素運動を取り入れる

*決して無理をしないように自分のペースで行いましょう。


参考文献:国立がん研究センターのこころと苦痛の本~こころと体のつらさを和らげるためにできること~ – 清水 研 国立がん研究センター中央病院 精神腫瘍科長、里見 絵理子 国立がん研究センター中央病院 緩和医療科長、若尾 文彦 国立がん研究センター中央病院 がん対策情報センター長(監修)

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