物忘れが多くなった?「ケモブレイン」と呼ばれる副作用かも

物忘れが多くなった?「ケモブレイン」と呼ばれる副作用かも

ケモブレインってなに?

「ケモブレイン」とは化学療法が原因で生じる認知障害で、治療の間もしくは治療後に、記憶力、思考力、集中力が一時的に低下する症状のことをいいます。

ケモブレインの発生機序の詳しくはまだ解明されていませんが、原因として考えられるものに、薬剤による神経新生や神経伝達物質の障害、脳血流や脳脊髄液の変化、記憶を司る海馬の機能低下などが示唆されています。また、間接的に炎症やアポトーシス,酸化ストレスも関与しているといわれています。

ケモブレインの治療について

主な治療法は行動療法(脳トレーニングや、認知リハビリテーション、リラクゼーション、エクササイズ)と薬物療法(中枢神経刺激薬、アルツハイマー病治療薬、神経新生刺激薬や酸化ストレスを減少させる薬剤)の組み合わせが基本となりますが、実際に日本でケモブレインに対して薬を使用している施設はあまりありません。

ケモブレインの検査

がん患者の認知機能検査として推奨されている検査として、Trail Making Test(TMT)等が挙げられますが、標準化はされていません。

ケモブレインは、患者さんの生活においてQOLや就労へ影響を及ぼす副作用のひとつです。
その解明や治療介入に関しては、これからの研究や治療成績の向上に期待したいと思います。

また、以前よりも物忘れが激しくなったり気が散ったりしても、自分の能力を責めたり悩まずに「抗がん剤の副作用でこうなってるんだ。」と客観視してみる方が気が楽になるかと思います。


ベクトル画像 著作者:people – jp.freepik.com
参考URL:ケモブレインについて 【化学療法が原因で生じる認知障害で,主な症状は記憶力・集中力・作業能力の低下】|Web医事新報|日本医事新報社
ケモブレイン | がん情報サイト「オンコロ」

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